土地利用に関する条例の制定に向けた取り組みについて( H23. 2)

質 問 (土地利用の現状に対する評価について)

  平成23年度大津市一般会計予算案において、土地利用に関する基本条例等策定に係る検討調査費用が予算措置された。大津市が施策として掲げる個性的でコンパクトなまちづくりの推進に寄与するものと位置づけられての検討調査であり、大津市総合計画第2期実行計画において重点化の視点とされている個性ある都市核・地域核の形成に寄与する基本条例になると期待をするものである。

 先の11月定例会、大津市はさらなる社会情勢の変化に伴い、土地利用、まちづくりの課題が一層複雑化、多様化して、個別法に基づく規制では対応できない点が今後の課題になるとの考えを示されたが、大津市都市計画マスタープランにおける都市整備の方針を踏まえ、現在の土地利用の状況をどのように評価されておられるのか、見解を問う。

答弁:都市計画部長

 土地利用の基本となる用途地域については、都市計画マスタープラン等の上位計画に基づき、適正かつ効率的に配置されていると認識している。

 しかしながら、本来、この用途地域規制は建物の用途の混在を防止することを目的としているが、法律上、用途地域によってはさまざまな土地利用や建築物の建築が許容されており、工業系用途地域において大規模な住宅地が開発されるなど、必ずしも用途地域指定の当初の目的が土地利用の現況と一致していない状況も見受けられる。

 このことから、今日まで社会情勢の変化や市民のニーズに応じて、都市計画の基準や指針に合致する範囲で必要に応じて用途地域を見直してきた。

 加えて、よりきめ細やかに地域の特性に見合ったまちづくりを推進することや地域の皆様の要望に応えるために、23地区において地区計画の都市計画決定を行ってきた。

 さらに、この制度を市民の皆様に活用して頂きやすくするため、本議会においては大津市地区計画等の案の作成手続に関する条例の改正について上程をしている。

 なお、新年度においては、土地利用に関する基本条例等策定に係る調査検討費を予算計上しているが、この中で本市に数多くある土地利用に関する条例、要綱等の検証を行った上で、先進都市の事例等を研究し、市民の皆様にわかりやすい土地利用に関する条例等の体系化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えている。


質 問 (第4次大津市国土利用計画と自治基本条例について)

  第4次大津市国土利用計画は、公共の福祉を実現する上で、まちづくりの主体である市民、事業者、行政の合意と連携が重要であることから、協働の視点に基づき策定されている。また、都市的地域の施策の中では、協働による個性ある都市核・地域核づくりの推進を掲げ、都市核・地域核ごとの個性化や機能の充実に向け、よりきめ細やかな整備方向を具体化するとともに、三者協働による主体的なまちづくり活動を推進するとしている。
 大津市は土地利用に関する基本条例のあり方については、自治基本条例についての調査研究と並行して考えていく方針を明らかにされているが、第4次大津市国土利用計画を推進する上において、自治基本条例がどのような役割を果たしていくことを期待されているのか、見解を問う。

答弁:政策調整部長

  国土利用計画は、国土利用計画法第8条第2項の規定により、総合計画基本構想に則するものでなければならないとされている。第4次大津市国土利用計画は、大津市総合計画基本構想に示された市民、事業者、行政の三者協働によるまちづくりの観点から、土地利用の基本方針に基づき、豊かな自然や歴史と市街地形成の調和を目指した活力あるコンパクトな都市構造の実現に向け、さまざまな施策を掲げている。

 一方、基礎自治体の最上位計画と位置づけられてきた総合計画基本構想については、現在、国におきまして地方自治体が自主性、自立性を発揮する観点から、地方分権改革推進計画に基づく義務づけの廃止事項として、総合計画基本構想策定義務を撤廃する地方自治法の一部改正が審議されている。また、これにあわせて国土利用計画法についても当該義務規定を撤廃する一部改正が審議されている。このような中で、自治体運営の基本方針としての総合計画の意義や今後の計画行政のあり方について議論するとともに、総合計画を策定するための根拠条例として自治基本条例の調査研究を考えている。

 自治基本条例に総合計画の策定を位置づけ、総合計画に掲げる施策を実現するため、法務、財務との連動により、総合計画の実効性を高めるとともに、個別計画との関係づけを明確にしようとするものである。地方分権の大きな流れの中で、市民自治の一層の促進と自己決定、自己責任が求められる自治体のあるべき姿を定めるため、自治基本条例の内容については、市民意向を反映するために、市民意識調査や市民会議の開催により、まずはその是非を問うとともに、その結果を踏まえまして市議会とも十分に協議をし、熟慮を重ねて慎重に検討していきたい。

関連する 議会活動の
指摘・提言
  • 大津港周辺の恒常的なにぎわい創出に向けた取り組みについて(R5.12)
  • 大津湖岸なぎさ公園及びその周辺の魅力とにぎわい創出に向けた取り組みについて(R5.9)
  • 大津港周辺のにぎわい創出に向けた取り組みについて(R5.3)
  • 大津祭曳山展示館における観覧料徴収のあり方について(R5.3)
  • 中心市街地エリアの活性化に向けた取り組みについて(R4.12)
  • 大津宿場町構想となぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのあり方について(R3.9)
  • 地区計画制度の実効性を高めるための取り組みについて(R3.2)
  • なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのあり方について(R2.11)
  • 湖都大津にふさわしい地域循環社会の実現に向けた取り組みについて(R1.11)
  • 大津絵を活かしたまちづくりについて(H31.2)
  • 大津市中心部の活性化に向けた取り組みについて(H30.9)
  • 大津市都市計画マスタープランの実現に向けた取り組みについて(H29.2)
  • 将来都市像の実現に向けた庁内組織のあり方について(H28.11)
  • 歴史文化を生かしたまちづくりについて(H28.2)
  • 持続可能なまちづくりの実現を図るための取り組みについて(H28.2)
  • インバウンド観光の推進に向けた取り組みについて(H28.2)
  • 歴史文化資源を生かしたまちづくりについて(H27.6)
  • 土地利用の調整に係る仕組みづくりについて(H27.2)
  • 琵琶湖疏水を活かした周辺地域の活性化について(H26.9)
  • 歴史文化を生かしたまちづくりについて(H26.6)
  • 大津市街並み博物館条例の廃止について(H26.6)
  • 歴史文化を生かしたまちづくりについて(H25.11)
  • 歴史的風致の維持向上に向けた取り組みについて(H25.9)
  • 土地利用基本条例の制定に向けた取り組みについて(H25.6)
  • びわ湖大津館の今後のあり方について(H25.6)
  • 歴史的風致の維持向上に向けた取り組みについて(H25.2)
  • 大津市観光交流基本計画アクションプランの推進について(H25.2)
  • 旧大津公会堂の指定管理者の選定について(H24.12)
  • 大津市開発指導要綱の条例化に伴う大津市土地利用問題協議会のあり方について(H24.2)
  • 中心市街地活性化について(H24.2)
  • 大津祭曳山展示館における指定管理者の指定について(H23.11)
  • 近代化産業遺産を活かしたまちづくりについて(H23.5)
  • 土地利用に関する条例の制定に向けた取り組みについて(H23.2)
  • 土地利用の基本的な事項を定めた条例制定に向けた取り組みについて(H22.11)
  • 大津市国土利用計画と同都市計画マスタープランを推進するための条例制定について(H22.8)
  • 大津市観光交流基本計画アクションプランの実現に向けた取り組みについて(H22.8)
  • 里山郷働撤退について(H22.6)
  • 大津市観光交流基本計画アクションプランについて(H22.2)
  • 堅田駅西口土地区画整理事業における保留地処分について(H21.11)
  • 近代化産業遺産を活用した観光交流の創出について(H21.6)
  • 中心市街地活性化について(H19.12)
  • 地区計画について(H19.9)
  • 土地利用について(H19.9)