スポーツ施設が集積する皇子が丘公園・皇子山総合運動公園の魅力向上に向けた取り組みについて( R5. 6)

質問

皇子が丘公園は昭和36年に当時の大蔵省から無償譲与を受けて開設された総合公園であり、現在は体育館やプール、グラウンドなどが整備されています。歴史を紐解くと、昭和33年には米軍キャンプ返還に伴う跡地利用のあり方を巡り、大津市議会においては、大津国際文化観光都市建設にかかる決議が議決され、国立国際会館建設設置場所選定に関する意見書が国に提出されています。大津市をあげて現在の皇子が丘公園が位置するエリアへの誘致運動が繰り広げられたものの、同会館の建設地は京都市宝ヶ池に決定され、今はもう存在していませんが、公園の開設と同時期に国立大津ユースホステルセンターが開業しています。中長期的な視野に立ったまちづくり、公園づくりの必要性を実感いただきたく、紹介をさせていただきました。

 
大津市は緑の基本計画において、市民などのレクリエーション活動や健康増進、利用促進に努めるため、皇子が丘公園などのあり方を検討するほか、スポーツの利用やユニバーサルデザインへの対応を促進するとの方針を示しています。しかしながら、平成30年に同計画が策定されて以降、具体的な検討は行われておらず、令和2年度、同公園を対象として公園施設長寿命化計画が策定されたものの、プール棟においては、必要な耐震性能を有していない建物が今もって存在しています。また、これまでから指摘を重ねてきましたが、同基本計画において、誰もが安心して利用できる、ユニバーサルデザインに配慮した遊具の設置を求める市民の意見を紹介しながらも、今もって実現には至っていません。
 
また、皇子山総合運動公園は大津市を代表する運動公園です。大津市が開設する野球場、陸上競技場、多目的グラウンド、テニスコートのほか、滋賀県が設置するスポーツ会館が整備されています。大津市は令和4年度に策定された庁舎整備基本構想において、皇子山総合運動公園を優先して検討を行う候補地と位置付けており、国体記念広場、多目的グラウンド、テニスコートが位置するエリアが敷地として想定されています。庁舎整備に係る市民アンケートが実施されて以降、スポーツを愛好される市民の皆様から、公園の機能に及ぼす影響などについて、ご質問やご意見を数多くいただきました。大津市が代替地として想定する、庁舎北側臨時駐車場(隣接旧国有地)等でどの程度の公園面積を確保することができるのか。また、皇子山総合運動公園との一体性を考慮した上で、損なわれる機能を担保することができるのか。このことは、庁舎整備用地として活用できる公園の面積や建物規模にも大きな影響を及ぼす要因となります。
 
大津市スポーツ推進計画においては、スポーツを楽しむ環境の充実が基本方針に掲げられ、スポーツ関連施設の充実が施策に位置付けられています。庁舎整備移転候補地の決定に影響を及ぼす皇子山総合運動公園の今後のあり方検討を踏まえ、近接する皇子が丘公園と相乗効果を発揮しながら市民が楽しく運動・スポーツができる環境が整えられるよう、また、ユニバーサルデザインにより配慮された公園となるよう、両公園を対象としたグランドデザインを策定されることを提言するものです。大津市は中長期的な視野に立ち、今後、どの様な方針のもとで両公園の魅力向上に取り組んでいくつもりなのか。大津市都市計画マスタープランに記された既存ストックの再編を含めた有効活用の検討にも資する取り組みと考え、見解を求めます。 

 

答弁:都市計画部長

スポーツ施設が集積する皇子が丘公園、皇子山総合運動公園の魅力向上に向けた取り組みについてでありますが、本市においては、両公園をはじめ、220あまりの都市公園を有しており、市民の憩いの場としてだけではなく、良好な都市景観の形成、防災機能の向上、豊かな地域づくりに資する交流の空間など、多様な機能を有する施設となっております。
 
その中でも、皇子が丘公園、皇子山総合運動公園は本市を代表する都市公園であり、運動スポーツの拠点としても重要な役割を果たしております。また、第4次大津市緑の基本計画においては、都市公園等のマネジメントの強化と多機能化を掲げており、今後とも市民や地域のニーズに合わせた魅力向上、住民組織等の多様な主体との連携による公園の質の向上、安心安全な暮らしに寄与するオープンスペースの確保など、様々な視点を踏まえながら、再整備の方向性や、維持管理手法等を見いだしていく必要はあるものと認識しております。
 
一方で、両公園の個別計画の検討にあたっては、公園施設の長寿命化、耐震化やバリアフリー化とともに、将来的な市内スポーツ施設の配置のあり方や、既存ストックの有効活用など、本市全体で検討すべき課題もあることから、これらの課題について全庁的に整理調整していくことが必要であると考えております。

 

再質問

初問で申し上げましたので、個別計画で記載する内容については省略いたしますが、それぞれの計画には取り組んでいただく期間、また、総合計画のもと都市計画マスタープランがあり、関連するいくつもの計画があって、連動することについては、皆さん方ご承知のとおりです。
 
皇子が丘公園、皇子山総合運動公園のみならず、大津市全体の公園のあり方、スポーツ施設のありようについて、同時並行的に検討していかなければならないという問題意識を示していただいたと思うのですが、では、今後どういう方針のもとで今、答弁いただいた検討を具現化されていかれるつもりなのでしょうか。
 
今回、エリアマネジメントの視点で質問をさせていただいております。都市計画マスタープランも必要に応じて中間の見直しがされますよね。関係する計画、先ほど申し上げましたが幾つもございます。スケジュール感を持って検討いただかないと、庁舎整備基本構想の実現性にも関わってくると認識をしています。ですので、このタイミングで改めて提言と質問をさせていただいています。改めて見解を求めます。 

 

答弁:都市計画部

今後どういう方針で具現化していくのかというようなことでございます。個別計画といいましては、都市公園のポテンシャルを引き出し、公園を核としたまちの魅力づくりを進めていくためには、社会の変化を見据えた公園の将来を描き、その実現に向けた大局的な視点から全体、整備構想、つまり個別計画の策定は、必要であるというふうには思っております。
 
令和3年11月通常会議において、私は、今後市民に親しまれる公園を維持していくためには、各公園の特性やそれぞれ異なる利用者ニーズを踏まえた個別の方針等が必要であると考えており、令和6年度末に実施する予定の現計画の見直しに合わせて、皇子が丘公園のあり方など個別方針の策定について研究してまいりますとの答弁をさせていただきました。これ以降に、皇子山総合運動公園の一部に、庁舎整備の候補地が位置づける中で、まずは庁内において、先ほど述べましたように、様々な課題を明確にするとともに、市民と利用者地元学区の皆さんと公園の将来像を共有して、公園の魅力向上に取り組んでいくことが必要であるというふうに思っております。
 
今年度におきましては、第4次緑の基本計画の中間見直しに先駆けまして、アンケート調査等を実施して、都市公園の現状や課題等をまた、市民意識の変化等を見いだしていきたいと考えております。この結果を踏まえて、令和6年度以降に、実施する緑の基本計画の中間見直しの中で、各公園の個別計画の位置付け等についても考えてまいりたいというふうに思っております。 

 

再々質問

都市計画部長からは緑の基本計画、これまで何度か指摘・提言をさせていただきましたので、この点踏まえてお答えいただきましたが、庁舎整備基本構想、今まさに検討を深めていただいている最中だと承知をしております。今後、ワークショップの開催も見込まれています。そうしたことを鑑みますと、大津市として、皇子山総合運動公園、また、ひいては皇子が丘公園の機能等を合わせて見直しいく中で、どういった方針のもとで、何を優先していきながら、このエリアにおけるスポーツ、また運動の、市民にとって大切な施設の魅力を向上させるんだということを同時並行的にお示しいただくことが大事だと思うのです。

 
繰り返しで恐縮ですけれども、プール棟は、まだ今もって耐震性が確保されていない建物も存在してるのですよ。そういったことを鑑みますとスケジュール感持ってお取り組みいただくことが大事なのかなと。先ほど、緑の基本計画っておっしゃっていただきましたけれども、全庁的な大津市全体としての検討の中で、両公園のあり方について、私は議論、検討を深めていただく必要があるのではないかと懸念をするものです。この点踏まえてお答えいただける、執行部の方おられましたら、答弁求めたいと思います。

 

答弁:総務部長

まず先ほど、都市計画部長の答弁で、皇子が丘公園、それと、皇子山総合運動公園の個別計画の検討にあたっては、まず公園施設全体の長寿命化、耐震化、またバリアフリー化、それとまたスポーツという面で、スポーツ施設の全体の配置のあり方、そういった既存ストックの有効活用、そういったことは、本市全体で検討していくことであると。そういった課題の中で、全庁的に整理調整していく必要があるという答弁をさせていただいたところでございます。皇子山総合運動公園が庁舎整備の候補地の一つであるということは、これもしっかり市全体で検討すべきことであるというふうに考えております。総務部といたしましては、都市計画部とも連携をし、情報共有を図りながら、取り組んでまいりたいというふうに考えております。 

 

再々再質問

今まさに庁舎整備基本構想のありようについて検討を深められており、優先して検討を行う候補地が皇子山総合運動公園であると承知をしています。具体的な検討を基本計画の策定を見据えながら進めていただく中で、皇子山総合運動公園がどういった機能を有する公園になるということを市民の皆様へしかるべき時期に説明をいただかなければご賛同いただけないと危惧するものです。ですので、今回改めて皇子山総合運動公園ならびに皇子が丘公園という2公園を対象に取り上げさせていただいたという思いもございます。この点を踏まえまして、改めて答弁を求めます。

 

答弁:総務部長

昨年度、庁舎と公園の一体整備検討ワーキングチームを設置し、検討しているところでございます。その中に公園機能の代替措置であったり、また一体整備についてのゾーニングであったりの検討をしているというところでございます。ワーキングチームについては今年度ももちろん設置をして、協議を進めているところでございます。今後、今年度予算、詳細調査ということで、予算も計上しておりますし、また、市民ワークショップというのも開催する予定でございますので、また、このワーキングチーム、それと、庁舎整備の本部会議、そういった中で議論していきたいと考えております。

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