ガス事業会計決算に伴う利益剰余金から60億円もの予算を学校給食事業特別会計へ繰り出す必要性について( R1. 9)

質問

平成30年度ガス事業会計決算に伴う利益剰余金85億円のうち、60億円を学校給食事業特別会計へ繰り出す予算が令和元年度9月補正予算案に計上されました。この剰余金は大津市ガス特定運営事業等に係る公共施設等運営権の設定によるものですが、大津市長はその大半を中学校給食の実施に伴い必要となる予算に充てる方針を示しました。運営基盤強化に向けた基金造成に伴う繰出金と説明を受けましたが、長期的にはいずれ必要となる予算であったとしても、老朽化が進む公共施設の維持管理・更新費など、喫緊の課題として優先的に取り組む事業は山積しています。

大津市公共施設等整備基金には一切繰出しをされなかったことを踏まえ、なぜ、いま、この時点において、優先的に学校給食事業特別会計に60億円を繰出す必要性があると判断されたのか。大津市長の見解を求めます。

 

 

答弁:市長

ガス事業会計決算に伴う利益剰余金のうち、学校給食事業特別会計に60億円を繰り出す必要性の見解についてでありますが、ごみ処理施設改築更新や少子・高齢化の進展に伴う社会保障関連経費の増加など、本市においては大変厳しい財政状況にあります。
また、東部学校給食共同調理場運営事業費をめぐっては、以前より中期財政フレームの改定時においても、将来の財源調達が課題であることを明らかにしてまいりました。このたびのガス事業からの納付金の一部を活用した学校給食事業特別会計への繰出金は、既に設定済みの当該事業に係る債務負担行為について、将来の現計化に対する財源対策を講じるものであり、学校給食事業特別会計において新たに基金を創設し、将来の事業費の財源として活用することにより、安定的な事業運営と一般会計から特別会計に対する繰出金の抑制を図るものです。つまり、このたびの基金の創設は、先に述べました大変厳しい財政状況のもとで、一般会計において推進すべきさまざまな事業費の財源を確保する上で有効な対策になると考えております。
また、学校給食事業特別会計への繰り出しを優先したことについては、15年間に及ぶ事業期間と事業に伴う負担債務額が確定していることを重要視したことによるものであります。

 

再質問

中期財政フレームにおいても、令和3年度以降については歳入の見通しが非常に厳しいことが示されています。そのことを踏まえての予算措置と認識いたしましたが、本来大津市長として、大津市として対応いただかなければならない事業や課題について、質疑一般質問で着手が不十分であるとの指摘をこれまでたくさん受けておられます。それらをしっかりやっていくとの意思が明確に示されなければ、なぜ、必要な緊急的な事業に措置されないのかといった市民の声があって私は当然だと思います。この点改めて見解を求めます。

 

答弁:市長

今回の60億円のガス事業への繰り出しについて、まさにおっしゃったような今、対応しなければならない事業や課題をやっていくためのものであるというふうに考えています。改めて御説明させていただきますと、なぜ基金に積み立てたかというところについては、基金にはやはり明確な積み立てる目的が必要であります。そういった中で、今回の学校給食特別会計への繰り出しというのは、既に債務額が確定している、債務負担行為もとっている、一方で財源については明らかではないということで非常に明確であるということから、これに60億円充てることにしました。一方で、これに60億円充てるということは、もともと給食に充てるべきであった一般財源がある意味別のものに使えるということになりますので、そういった財源で懸念事項を解決していきたいと思っております。

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