あんしん長寿相談所における組織運営体制の強化について( R2. 11)
質問
大津市は重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の実現に取り組んでいます。そのうえで、地域包括支援センターの役割を担う「あんしん長寿相談所」は、高齢者にとっては最も身近な相談機関であり、大津市においては、福祉・介護・保健が一体となって高齢者の生活を支えるため、すこやか相談所の保健師があんしん長寿相談所の所長職を兼務されてきました。昨年度、教育厚生常任委員会から地域包括ケアシステムの構築に向けて市長に提出された提言書でも述べられていますが、保健師の専門性をもって、地域全体の健康づくりから介護予防まで一貫性のある対応ができるというメリットがある一方、保健師としての業務以外の事務等が過重となってしまえば、本来の専門性が発揮できなくなるという懸念もあります。
また、大津市地域ケア会議のうち、あんしん長寿相談所職員が構成員となる地域課題検討会議及び生活支援部会、医療介護連携部会、住宅・交通部会から構成される地域包括ケア部会は政策の立案・提言を担う地域包括ケア推進会議における議論を活発化させる役割も担っています。これら会議のさらなる充実のもと、地域包括ケアシステムの構築を図るためにも、あんしん長寿相談所の機能強化は必要不可欠と考えます。
保健福祉ブロック別に医療・福祉分野における多職種協働の推進を図り、市民啓発事業にも積極的に取り組まれていますが、2025年においては75歳以上の人口が2015年時と比べておよそ1.5倍になると見込まれており、在宅療養者数は確実に増加すると予測されます。自宅での療養・看取りを支える在宅医療・介護の連携体制の強化は喫緊の課題です。大津市はあんしん長寿相談所の組織運営体制の強化をどの様な課題認識のもとで取り組んでいくつもりなのか。職員体制の充実とセンター増設に向けた今後の展望とあわせて見解を求めます。
答弁:健康保険部長
あんしん長寿相談所の職員体制の充実とセンター増設に向けた今後の展望についてでありますが、4か所の基幹型あんしん長寿相談所に、専任の保健師として管理職の所長を配置するとともに、高齢者人口に応じて専門職を増員するなど、職員体制の充実を図ったところであります。しかしながら、課題として処遇困難ケースの対応や業務管理に追われ、PDCAサイクルが十分に回せているとは言えない現状があります。今後、あんしん長寿相談所については、昨年度の市議会からの提言を参考に高齢者のニーズに対し、総合的な対応ができるよう、関係部局と連携してまいります。
また、国の動向を踏まえ、将来的に必要な人員配置や体制強化を検討するとともに、日常生活15圏域のうち未整備地域において計画的に整備を進めてまいります。