新型コロナウイルス感染症による高齢者の「健康二次被害」を防ぐための取り組みについて( R3. 12)
質問
今期通常会議における質疑一般質問通告日時点において、コロナとのつきあい方滋賀プランにおける判断指標は「レベル0」に引き下げられましたが、外出自粛が長引いたことによる「コロナフレイル」は今もって社会問題となっています。コロナフレイルとは、新型コロナウイルス感染症予防のために、生活不活発(動かない状態)になった結果、体力や気力が低下して、一気に老化が進むことを意味しており、大津市においては長寿政策課地域包括ケア推進室が中心となって高齢者の「健康二次被害」を防ぐための取り組みを進めておられます。
この項の質疑一般質問を行うにあたり、同室も加入される「健康二次被害防止コンソーシアム」のホームページを拝見しましたが、感染症対策とともに、この先の未来のため、健康に目を向ける必要性と重要性を再認識いたしました。大津市においては合理的な根拠に基づき政策の企画に取り組まれることを、今期通常会議に議案として提出されている大津市行政改革大綱において掲げられていますが、次年度で計画期間の最終年度を迎える「健康おおつ21」の改定にあたっても、ぜひ、このことを留意いただきたいと考えます。
大津市は令和3年6月補正予算において、高齢者の外出自粛等に伴う心身への影響が懸念される中、コロナ禍における高齢者の実態把握とフレイル予防・介護予防施策の強化に向けたアンケート調査等の実施経費を措置されました。65歳以上8,000人のうち、およそ4,500人の方から回答が得られ、アンケート結果の分析については、健康づくりに関する包括連携協定締結を結ぶ法人の協力も得ながら進められたと認識しています。現在、大津市においては新年度予算の編成作業が進められていますが、新型コロナウイルス感染症の流行による高齢者の「健康二次被害」を防ぐための取り組みを今後、どの様な方針のもとで実施されていかれるのでしょうか。この度のアンケートで明らかになった課題と分析結果を踏まえて答弁を求めます。
答弁:健康保険部長
1項目めのコロナフレイル予防について、アンケートで明らかになった課題と分析結果を踏まえた高齢者の「健康二次被害」を防ぐための取り組みについてでありますが、本年8月に実施した「新型コロナウイルス感染症流行による暮らし、こころやからだへの影響に関するアンケート」では、65歳以上の介護認定を受けておられない高齢者及び要支援1、2の認定を受けておられる方を対象として8,000人のうち約4,500人より回答をいただきました。
アンケートでは、新型コロナウイルス感染症による困りごとや暮らしの変化や体調、気持ちの変化、自粛生活の中で新たに行っていることや工夫していることについてお聞きしました。アンケート結果より、感染への不安を感じておられる方が約50%、筋力や体力が落ちたと感じておられる方が約35%あるなど、心理面、身体面の影響が明らかになりました。
中でも、要支援や生活機能の低下がみられる総合事業対象者、一人暮らし高齢者の方において、筋力や体力の低下、歩く速さが遅くなったとの回答が高い割合でみられる結果となりました。一方で、自粛生活のなかで、新たにおこなっていること、工夫していることとして、「自宅で栄養を考え食事を作っている」、「自宅で運動している」と答えた方が約30%程度あるなど高齢者自身の取り組みも明らかになりました。
今回のアンケート調査の結果を踏まえ、対象者に応じて、栄養について学んでもらう機会の提供や高齢者向けレシピの紹介、運動や口腔機能向上に向けた教室の実施など、参加された方がそれぞれに応じたフレイル予防や健康づくりを継続できるよう事業に取り組んでまいります。