【修正予算案】
6月17日、予算常任委員会に出席。平成27年度大津市一般会計補正予算(第3号)については、志成会所属の3名の議員と大津維新の会・河村議員との連名で修正案を提出しました。採決の結果、提出者以外ではチーム大津の嘉田議員が賛同くださりましたが、賛成少数で否決をされました。委員会では否決をされましたが、以下の提案理由をもって、あらためて議長に修正予算案を提出します。
「款」 商工費 「項」 観光費 「目」 観光費 観光交流推進事業費のうち、琵琶湖疏水通船試行事業を活用した観光振興調査費49万3千円及び「款」教育費「項」中学校費「目」学校管理費 大規模改造事業費のうち、中学校給食の導入に向けた校舎等改造の概略検討に係る費用1,380万円の合計額1,429万3千円を予備費に計上するという修正案です。
(修正案提案理由)
観光交流推進事業費のうち、琵琶湖疏水通船試行事業を活用した観光振興調査費については、その事業目的が不明確であり、また、中学校給食の導入に向けた校舎等改造の概略検討については、中学校給食の実施に向けた整備手法に対する検討そのものが不十分であり、現時点における予算計上は時期尚早であると考えるため。
なお、6月23日の本会議においては、以下の内容に沿って提案説明を行う予定です。
【琵琶湖疏水通船試行事業を活用した観光振興調査費】
当該調査費については、今年3月に開始された琵琶湖疏水通船事業の継続を見据え、乗船モニター等を市内観光に誘導する方策や観光消費額(の増加)につながる取り組みに係る調査検討を行うことを目的に予算計上されたものと説明を受けました。
しかしながら、49万3千円の積算根拠を確認したところ、コンサルタント会社から提出のあった参考見積においては、三井寺~浜大津~大津(駅)周辺における飲食、体験、その他観光資源調査の他、小関越えの道を活用した琵琶湖疏水を辿る京都までの陸路活用検討及び観光資源調査が含まれるなど、秋に継続が見込まれる通船試行事業を見据えた検討というよりも、疏水観光そのものに重点をおいた委託内容となっています。
また、同じく調査項目に含まれる「湖上観光資源活用における周遊ルートの検討」においても、暫定的な乗船場所で行われている試行段階で検討すべきものでなく、琵琶湖疏水における通船事業が周辺地域のまちづくりや観光施策に与える影響を見極めた上で行うべきと考えます。
そもそも、予算の積算根拠となった参考見積については、議会に説明のあった「琵琶湖疏水通船試行事業を活用した観光振興調査費」ではなく「琵琶湖疏水通船事業を活用した観光振興基礎調査」として徴取され、予算要求時点においては「琵琶湖疏水通船試行事業を活用した観光消費促進経費」として査定を受けられています。
予算審査資料における補足説明には、「下船後の京都から大津への陸路活用や誘導方策、プロモーション展開に必要な調査、検討」と明記されていますが、予算常任委員会生活産業分科会における審査においては、調査・検討した結果を乗船モニターに周知する予算は見込まれていないことが明らかとなっており、何をどこまで視野に入れた予算計上であるのか、事業目的が不明確であると評価するに至りました。
試行事業が継続された場合、乗船モニターには手書きの資料を作成・配布し、市内観光へ誘導する旨の答弁がなされましたが、当該委託事業の成果を鑑みるのであれば、本末転倒であると考えます。
【中学校給食の導入に向けた校舎等改造の概略検討】
今期通常会議における質疑・一般質問において、中学校給食の実施に向けて必要となる敷地面積及び調理場建設費用の推計及び事業開始時期の妥当性について見解を求めましたが、明確な答弁をえることは出来ませんでした。
例え同じ敷地面積であっても形状や接道条件などによって有効に活用できる範囲は異なりますし、建築費用の算定にあたっても、最少800食から最大10,000食を対象とする回帰分析にて検討されましたが、プロットの範囲外である18,000食に適用することは根拠になりえるものでないと判断するものです。
また、大津市長は2月3日に開催された記者会見において、教育委員会が機関決定した前提とは異なる工程表を根拠として、事業開始時期の目途を平成30年度と公表されています。当初、PFIの導入可能性調査終了後に予定されていたアドバイザリー業務の委託が今年度に前倒しされていますが、用地取得に向けた交渉も緒に就くか就かないかの現状において、あまりにも現実離れした工程であり、用地が確定しないと民間活力の導入に向け、専門事業者から支援を受けるに至らないことは、4月に行われた市長協議においても確認がなされています。
PFI事業を前提としているにも関わらず、実施設計の期間が整備スケジュールにおいて全く見込まれていないことを踏まえても、中学校給食の導入に向けた校舎等改造の概略検討については、整備手法そのものを見直した上で行うべきと考えます。