【中学校給食の実施に向けて】
5月19日、東部学校給食共同調理場移転新築事業の進捗状況について担当課から聞き取りを行う。大津市は平成30年度から中学校給食を実施することを目標に掲げていますが、PFI等の民間活力を用いた事業手法を導入しようとする場合には、公設で整備する場合と比べて不確定要素の多い中で検討を進めていかなければなりません。
上記調理場が都市計画法第29条第1項第3号に定める公益施設と位置付けられる「義務教育共同給食センター」とならない場合、いわゆる開発許可が必要となります。
小中学校への配食に限定した土地利用に想定するのであれば政令が適用されますが、民間資金による整備を前提としていることから、現時点において判断しきれない状態にあると理解しています。
仮に都市計画法に定められた開発許可が不必要であったとしても、公図訂正や官民境界の確定、法定外公共物(里道・水路)の用途廃止等に必要な期間を見込んでおく必要があります。
大津市は平成30年度内を目途に中学校給食を実施することを目標としていますが、一級建築士・測量士として開発業務や施設整備に携わってきた経験から申し上げると大変厳しいスケジュールであり、建築工事に必要となる工期が確保されず、後の事業者選定に影響がでることがあってはならないと考えます。
また、中学校給食の実施に向けて必要となる敷地面積、調理場建設費用の推計についても検討が不十分であると考えます。
必要となる面積の算定にあたっては、例え同じ面積であっても、敷地の形状や接道条件などによって有効に活用できる範囲は異なります。
建築費用の算定にあたっても、最少800食から最大10,000食を対象に回帰分析を採用されましたが、プロットの範囲外である18,000食に適用するならば、1食つくるのに1億4872万必要となることになります。
そもそも構造や設備の検討もなされていない中で、食数をもとに建設費用を算定されることについて、強い違和感を覚えるものです。
ちなみに、公共建築に携わってきた複数の一級建築士に意見を求めましたが、皆さん私と同意見でした。
2月通常会議でも指摘をしましたが、多額の予算を長期に渡って必要とする事業であり、あらためて調査を行った上で大津市の見解を問う予定です。