【図書館を考える集い】
4月11日、滋賀県立図書館で開催された「図書館を考える集い」(主催:図書館を考える大津市民の会)に参加をさせていただく。愛知県田原市立図書館元館長の講演を拝聴させていただき、図書館がまちづくりに及ぼす影響について理解を深めさせていただきました。
田原市立図書館においては、人を育てること、すなわち、社会を担う次の世代、健全な大人を育てることを理念に掲げられ、自由で公平な資料の提供、人々が交流する快適な場の提供、ボランティア活動の場となることを目指してこられました。
「図書館で過ごす時間の豊かさは、世代を超えて地域共通の記憶となり、町を良くすることにつながる。」
次世代を見据えて図書館運営を行うことが、いかに尊く、そして、大切な事なのか。
名言と共に学ぶ機会となりました。
「子どもの人口の20%だが、未来の100%である。」
英国 ブラウン元財務相
「七歳の子どもの読書量が二十年後のイギリスの存在価値を決める。」
英国 ブレア元首相
私は、大津市立図書館の運営については、次世代を見据えたまちづくりを展望する上においても、設置者が主体となって行うべきとか考えます。
下記は、大津市立図書館の現状と今後に対する私の所見です。
(図書館を考える大津市民の会へ提出させていただいたアンケートより抜粋)
〇図書館が提供するサービスとは、図書をカウンターで貸し出すといった定型的な業務だけでなく、公民館や教育施設等との連携を図りながら、社会教育の振興を図るという使命も含まれます。
住民が満足するサービスの提供には、図書館職員の仕事に対する満足が欠かせないことから、館長職のあり方を含め、職員の雇用形態については見直しを図るべきと考えます。
〇指定管理者制度そのものを否定する考えはありません。しかしながら、図書館というのは、大津市が掲げる都市像「人を結び、時を結び、自然と結ばれる結いの湖都」の実現を目指す上においても大変重要な施設であり、現在のモニタリング制度の基では、社会教育のさらなる振興は期待できないと考えます。(図書館運営のモニタリングを行うには、方針に見合った運営が行われているかを見極める資質が必要となります。そもそも、こうした人材をどの様にして育成するのか!?専門性がなければ出来ない評価であり、事務担当者がおこなえるレベルではないと考えます。)
〇そもそも、誰のための、何のための行政改革なのか!!削って、減らして、無くすことだけが将来を見据えた改革ではありません。本来、行われるべきは「行政の改革」、すなわち、政策の推進のあり方そのものを見直すことであり、図書館運営においては、住民や各種団体の参加・参画を促し、利用者のニーズに見合ったサービスを提供することであると考えます。
〇私は、大津市が掲げる運営方針のうち、「児童の読書要求に応え、児童サービスに重点をおくこと」は、次世代を見据えたまちづくりを進める上においても、大変重要な要素であると認識しています。特に絵本というのは、子どもが初めてふれる文化・芸術ともいえる図書であり、さらなる充実を図るべきと考えます。現在もそうですが、娘と息子の成長は、読書と共にあったと実感しています。身近な社会教育施設である公民館のさらなる活用も視野に入れ、方針の実現に向けた提言を行ってまいります。
〇平成28年4月から障害者差別解消法が施行されることになっています。すべての公共施設は、障害のある方に対して合理的配慮が義務付けられることになり、大津市立図書館においても、点字図書や対面朗読、音声データによる図書の充実を図っていなかければなりません。他都市においては、指定管理者のもとでサービスの提供が図られている事例も見受けられますが、私は、障がい者福祉施設等との連携を強化していく観点からも、大津市が責任をもってサービスを提供すべきと考えます。
〇施設内における動線の安全確認(駐車場からのアクセスを含む)を行っていきたいと考えています。誰もが利用しやすい図書館となるよう、努めてまいります。