【子どものための化学物質対策ガイドライン】

 市有施設のうち、子どものための施設や子どもが多く集まる施設を対象とした「子どものための化学物質対策ガイドライン」が策定されました。目的にも記されていますが、子どもの安全を第一に考えて運用されるよう、周知徹底を図っていただきたいと考えます。

◎子どもを対象にした化学物質対策の充実について
(平成25年9月通常会議 谷 祐治 質疑・一般質問 要約)

平成25年4月26日付において、農林水産省安全局長並びに環境省水・大気環境局長は、各都道府県知事宛てに、住宅地等における農薬使用についての通知を発出した。
平成19年にも同じ通知が出されたが、児童・生徒が在学中の学校や開園時間中の公園、園庭等で農薬が散布された事例や、周辺住民に事前の通知がないままに散布された事例等が依然として報告されていることを受けてのものであり、住宅地等における病害虫防除等に当たって遵守すべき事項が新たに定められている。

本市においては、平成23年度以降、大津市施設等における農薬・殺虫剤等薬剤適正使用ガイドラインや、市有施設の室内等における化学物質使用に関するガイドラインの策定など、市民の健康や生活環境を守るため、関係部局が一丸となって取り組んでこられたが、今後は化学物質による健康被害への影響が大人より大きいと言われる子どもを対象にした対策を充実させ、保育所や学校、児童クラブや児童遊園地などの空気環境をより良好なものにしていただきたい。

視察に伺った東京都においては、化学物質の子どもガイドラインを策定され、次代を担う子どもたちが安心して生活できる社会の実現を目指しておられた。
室内空気編においては、薬剤散布や床掃除など、化学物質を使用する業務の適切な管理はもとより、使用する教材や用品、おもちゃの選択などにも配慮することを求め、リスクコミュニケーションを図ることの重要性を明記している。

また、殺虫剤樹木散布編においては、殺虫剤を使わない害虫防除を取り入れることを推奨し、樹種別に発生しやすい害虫と発生時期、防除法が具体的に記されていた。
やむを得ず使用する場合においても、散布によらない方法が可能かどうかを検討することを定め、子どもへの影響や残留性について情報を収集していくことを求めている。

子どもたちが健やかに育ち、そして学べる環境をつくることは私たち大人の責務であり、市有施設における取り組みにさらなる期待をするものである。
まずは、大津市化学物質対策庁内連絡会議において、他都市の事例や参考となる取り組みについて調査研究を行い、今後の方針について検討を開始されてはと思うが、見解を伺う。 

答弁:健康保険部長

幼稚園、小学校等の教育機関を含む市有施設においては、大津市施設等における農薬・殺虫剤等薬剤適正使用ガイドライン及び市有施設の室内等における化学物質使用に関するガイドラインに基づき、施設の管理状況を定期的に調査をし、14の関係課で構成する大津市化学物質対策庁内連絡会議において情報の共有はもとより、課題等について検討するなど、全庁的な化学物質の適正使用の推進に取り組んでいる。

また、市民向けの取り組みでは、化学物質対策について、本市のホームページでの周知に加え、平成23年度から滋賀県との共催でシックハウス問題を考える公開講座を開催し、化学物質による健康被害の予防啓発、相談対応を行っている。

こうした中、議員お述べのように、特に化学物質による影響が大きいと言われる子どもの視点に立った取り組みは大変重要であると認識しており、子どもの特性に応じたガイドラインの策定につきましては、先進的に取り組んでいる東京都をはじめ、他の自治体の実施状況等を調査しながら、市化学物質対策庁内連絡会議において、今後実施する内容や範囲、また実施時期等を含め検討してまいりたい。
 

◎子どもを対象にした化学物質対策の充実について
(平成25年11月通常会議 谷 祐治 質疑・一般質問 要約)

平成25年9月25日、滋賀県及び大津市並びにしがシックハウス対策研究会主催で、平成25年度シックハウス問題を考える公開講座が開催さた。
日本アレルギー学会専門医による講演においては、住居、家具、衣料、洗剤、柔軟仕上げ剤、殺虫剤など生活環境に由来する化学物質が健康に及ぼすリスクについて検証が行われ、健康を守るために必要となる知識や被害が生じた場合の対応について、実際の臨床事例をもとに解説があった。
9月19日には、独立行政法人国民生活センターが、柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供を行っているが、健康被害に関する相談が急増していることを踏まえての対応であり、本市においてもこうした情報を市有施設における化学物質対策に反映していく必要があると考える。

先の通常会議において、大津市は、子どもの特性に応じたガイドラインの策定に向け、実施内容や範囲、実施時期等を含め検討していくことを明らかにされたが、揮発性有機化合物に対する安全確認が不十分なまま廃材が教材として使用されている事例も確認されている。
子どもたちが健やかに育ち、そして学べる環境をつくるためには、教育や保育に従事する職員に化学物質に対する正しい知識を習得いただくことが何より重要であり、ガイドラインの早期策定に期待する。
大津市は今後どういった方針を持って取り組みを進めていかれるつもりなのか、今日までの進捗を踏まえて、見解を伺う。

答弁:健康保険部長

子どもの特性に応じたガイドラインは、主に学校や幼稚園、保育園などの施設における取り組みの指針となるものである。
また、これら施設の職員や関係者が子どもの視点、特性を踏まえた化学物質に対する正しい知識を習得できることはもとより、ガイドラインとして利用しやすく実効性の高いものでなければならない。

ガイドライン策定に向けてのこれまでの取り組みでは、他の自治体の関連資料を収集し、実施内容や範囲などの調査研究を行うとともに、策定スケジュールなどについて検討してきた。
今後は、3月に開催予定の市化学物質対策庁内連絡会議においてガイドラインの原案を提案し、関係課からの意見等の聴取と集約を行い、これらを踏まえ、平成26年度の早い段階の策定に向けて取り組んでまいりたい。

なお、議員お述べの独立行政法人国民生活センターからの柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供については、11月20日付で、市化学物質対策庁内連絡会議の関係課にその対応についての周知を図ったところであり、これに関する相談事例等を情報収集するとともに、事例を分析、検討するなど、今後の化学物質対策の参考にしたい。

«
»