【失われた可能性】
6月10日、質疑・一般質問二日目。前日に引き続き、市長の政治姿勢に関わる質問が複数の議員からなされました。任期半ばで教育長・副市長が相次いで辞任されたことを受けての質問でしたが、茂呂前副市長が退任の挨拶で述べられたことのうち、市長ご自身にとって不都合なことについては、事実として捉えておられないのではないかと感じられる答弁内容でした。
茂呂前副市長は退任式の挨拶において、「職員とのパイプ役となることを市長から期待され、そのことを肝に銘じて取り組んでまいりましたが、実際には、その役割を果たすことに、困難を覚えることも少なからずありました。」と述べられ、しっかりと市長の役に立てないのであれば、もはや辞職をするしかないとの気持ちを市長に伝えられたことを明らかにされました。
また、前教育長の辞任にあたっては、「私と富田氏とは互いに信頼をおく関係でしたが、同氏は、平成26年度予算の編成過程において教育委員会の意見の反映が難しいことに心を痛めておられました。こうした事情がご本人の重大な決断に結び付いたものと私は認識しています。」と述べられるなど、教育委員会を所掌する副市長として、健康上の理由だけをもって辞任されたわけでないとの見解を示されています。
現在、大津市においては、大津市総合計画基本構想の仕上げともいうべき第3期実行計画に取り組まれ、また、平成29年度からを計画期間とする次期大津市総合計画の策定に向けた研究を進められるなど、今後10年のまちづくりを展望する上で大変重要な時期を迎えています。
教育長・副市長が相次いで辞任されたことによって失われた可能性はあまにりも大きく、人材の育成といった観点で申し上げれば、市長のさらなるリーダーシップや職務代理者の設置だけでおぎないきれるものではありません。
市長は答弁において職員と「ランチミーティング」を実施し、庁内放送において定期的に職員に語りかけていることを強調されていましたが、省みるべきは省みていただき、補助機関を構成する職員との信頼関係を強固なものにしていただきたいと考えます。