国際理解推進充実事業費について( H27. 2)
質 問 |
1点目、相互理解が不十分であったことについて。昨年度に引き続きICTを活用したティーチングメソッド研究開発費が計上されている。昨年度は2343万6千円の予算が計上されたが、実際に執行された額は154万1千円であり、市長と教育委員会との相互理解が十分に図られないまま、積算根拠の不明確な予算が措置されたことが招いた結果であると評価している。大津市長は執行の結果をどの様に受け止め、今年度の予算編成に臨まれたのか。
2点目、1年生からの取り組み理由について。平成27年度においては、DVDやデジタル教材を用いてモデル事業を実施している3社から選定を行い、小学校5校をモデル校とした実践研究開発が予定されている。平成28年度から29年度にかけては全校を対象に実施される方針が明らかにされているが、英語教育が必須科目となるのは小学校3年生からである。なぜ大津市は小学校1年生から英語教育に取り組むのか、その意義を問う。
3点目、ALTの資質確認について。ALT(外国語指導助手)については、委託事業者から派遣により配置がなされているが、児童や生徒のコミュニケーション能力を育成するためには、講師として十分な資質が求められる。授業内容に対する評価や英語教育に関する実績など、大津市はどういう形でALTに求める資質の確認を行っているのか。
答弁:教育長 |
1点目の相互理解が不十分であったことについてであるが、昨年度の予算編成時には、小学校外国語教育の充実に向けて民間業者のノウハウを活用した場合に必要と思われる金額を要求した。その後、教育委員会で、より効果的な方法を慎重に調査検討した上で、3学期に3業者によるパイロット事業を3校の5年生で実施することとなった。プロポーザル審査では、金額的にはより高額な提案のものもあったが、内容によって選定したところ、予算要求額とは差が生じることとなった。次年度においては、今年度の実践成果を踏まえて本市の外国語教育を担う1社を選定したいと考えているので、その際に必要な予算を要求しており、議決いただいた際には適切に執行していきたいと考えている。
次に、2点目の1年生からの取り組み理由についてであるが、早期の語学教育の最大のメリットは音声面にあると考えている。できるだけ早い時期に英語に触れることで、日本語とは異なる英語の音やリズムになれ親しみ、通じる英語につなげていくことができると考えている。また、国の英語教育のあり方に関する有識者会議でも英語の基礎的、基本的な知識、技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等を育成することは児童・生徒の将来的な可能性の広がりのために欠かせないとの報告がされており、早期に英語教育を始めることで、より効果的に英語の運用能力を高める機会を大津の子どもたちに均等に与えたいと考えている。さらに、本年度2年目を迎えた本市の早期外国語活動推進事業モデル校で保護者アンケートを実施した結果、低学年から外国語を学ぶことは大切だと思うかという問いに対して回答者の90%以上がそう思う、どちらかといえばそう思うと答えており、低学年では95%を超える結果であった。これは、低学年から実施している外国語活動を保護者が肯定的に捉えている結果であると考えている。早期外国語教育により、母語と外国語の両方が伸びる可能性が高いとの報告もあり、英語の技能面を伸ばすだけでなく母語である日本語を大切にする態度や互いを理解しようとするコミュニケーション能力の育成につなげていきたいと考えている。
次に、3点目のALTの資質確認についてであるが、議員が述べるとおり、子どもたちのコミュニケーション能力の育成にはALTの質が大変重要であると考えている。委託業者を選定する際には、ALTの条件を提示し、採用方法や研修方法について業者からの提案を求めている。業者による定期的な学校訪問と各校へのアンケート調査で資質の確認をしており、あわせて担当指導主事も学校訪問をしている。今後も、本市の子どもたちにより良い教育を提供できるよう慎重に業者選定を行うとともに、各校との連携を図りながら質の高いALTを配置できるよう努めていく。
再 問 |
私は市長に執行の結果をどのように受け止めているのかを伺った。なぜならば、いつも述べられているが、予算については市長が措置する権限を持っているからである。1年前か、ちょうどこの場に立って話を色々したことを今思い出している。登壇する前に改めて予算の審査の議事録や、また教育委員会のこの件に関する議事録を読んだが、そもそもの発端は市長が英語を習っていた知人から紹介を受けた、いわゆる商社のインターネットを活用したスカイプはどうであろうということを投げかけたことではなかったのか。結果として、予算執行された結果はこうなったという説明であったが、その点はもう随分指摘も行った。より良い形で英語教育に取り組んでいただくことは大変結構なことであるが、やはり改めていただくべきは改めていただき、顧みていただくことも大事かと思い、改めて市長に見解を求めたところである。
答弁:市長 |
只今の質問は、執行の結果をどのように受け止めているか、また改めるべきところがあるのではないかという質問であると思う。執行の結果をどのように受け止めているかということについては、先ほど教育委員会からも答えたとおり、入札の結果であるというように受け止めている。高額な提案もある中で、内容によって適正に選定がされた結果であると思っている。そして、平成26年度の予算については、これまでも答えているとおり、予算の内容について業者からの見積もりをもとに適正に算定されたものであると考えている。
そして、市長と教育委員との相互理解という質問であったと思うが、そちらについての平成26年度全体では年度を通しては4回、この英語について協議したわけであるが、予算を上程するまでには十分な議論ができたというように思っている。ただ、これも以前答えたとおりであるが、議論が開始された時期が12月であったというところは、今年度については早目に議論を開始すべきだということが改めるべきところだと考えていた。そこで、平成27年度の予算に向けて、今年度は4月から市長、教育委員会の協議会を早目に開始した。そして、現在に至るまで英語教育については7回協議を行ってきて、十分な議論ができ、平成27年度の予算についても見積もりに基づいたしっかりとした予算が計上できていると思っている。