スクールランチのあり方について( H24. 12)
質 問 |
1点目は、市長マニフェストを踏まえた委託事業者の選定のあり方について。大津市立中学校スクールランチ事業の委託事業者の選定に当たっては、対外業務に対する発想や課題解決方法及び取り組み体制等の提案を審査し、最も適切な創造力、技術力、経験などを有する事業者を選定するため、プロポーザル方式を採用された。提案の募集に当たっては、多様な能力やノウハウを有する事業者から広範なアイデアを募るため公募方式とされ、市外からの応募も可能とされたが、市長マニフェストにおいては、中小企業への支援策として地元事業者を活用することが明記され、事業実施方針においては推進における視点と位置づけられている。大津市内外から複数の応募があったと認識しているが、市長は、マニフェストと整合しない実施要領で公募が行われ、選定作業が進められている現状をどのように評価し、何が要因でこうした事態になったと考えるのか、見解を問う。
2点目は、スクールランチ実施に伴う公費負担のあり方について。大津市教育委員会は、スクールランチの安定供給及び利用促進を図るため、献立表の作成や配送等に要する経費について予算の範囲内で負担するとしているが、1日当たりで98%の生徒は利用しないと想定している。委託事業者には職員の利用にも対応することを求めているが、公費負担のあり方をどのように考えているのか、見解を問う。また、委託事業者には、付随する業務として保護者説明会の実施や試食会の開催など、スクールランチの利用促進に協力することを求めているが、何を目的として1日当たりの予定食数を増やそうとしているのか、あわせて見解を問う。
答弁:教育長 |
1項目、スクールランチ事業の委託事業者の選定については、市内事業者のみに限定する方式も検討したが、意欲のある事業者の企画提案を幅広く募り、もってさまざまな可能性を追及し、より有効な事業方法を引き出すことを優先すべきとの判断に至ったので、公募によるプロポーザル方式を採用した。
なお、地元事業者の活用という観点から、選定した事業者には、その本拠が市内、市外に関わらず、市内事業者との連携や人材の雇用について求めることにより、マニフェストとの整合を図ってまいりたいと考えている。
次に2項目、スクールランチの実施に伴う公費負担のあり方についてのうち、1点目の公費負担のあり方をどのように考えているのかについて。スクールランチの利用の多寡に関わらず、全ての生徒に配布する献立表の作成に係る委託費については、利用促進の観点から必要な経費であり、また配送・回収業務に係る委託費については、流通コストに左右されずに安定した内容でスクールランチを提供するための固定的経費であることから、これらについては公費で負担することとした。なお、教職員のスクールランチの利用については、献立やボリューム等を教職員が理解し、昼食指導やスクールランチの改善に役立てることを目的としている。
次に、2点目の何を目的として1日当たりの予定食数を増やそうとしているのかについて。より多くの生徒や保護者に支持される良質なスクールランチを提供することにより、保護者の弁当づくりの負担軽減を図るとともに、中学生の健康な心身の育成に資してまいりたいと考えている。そのためにも、事業の実施前から試食会や説明会などを開催し、保護者への周知を図るとともに、内容や利用面についての意見を求めていく。
再 問 |
市長マニフェストを踏まえた委託事業者の選定のあり方について再問する。改めてマニフェストを読ませていただきましたが、経済の活性化と雇用の創出で働く人を支える大津へというところで、中小企業の育成を課題とされ、中小企業への支援を図る意味で中学校の昼食提供(スクールランチ)に当たり、地元事業者を活用するというふうに記述され、昨日はマニフェストに変わりはないという答弁があった。また、大津市立中学校スクールランチ事業実施方針というものをプロポーザルに当たって策定をされ、事業推進の七つの視点を設けられている。この実施方針において、事業実施主体とは大津市教育委員会及び教育委員会と共同して事業の一翼を担う事業者とするということであり、地元事業者の活用というところで、ノウハウを有する事業者を選定すると明記されている。私は、このとおり読むと、あくまで委託先というのは地元事業者になると思うし、この方針は今もインターネットで公開されており、広く公募されたということについては承知をしているが、客観的にそれを御覧になられた場合、地元事業者を活用するとしか読まれないと思うが、その点について再度確認をする。
2点目、スクールランチ実施に伴う公費負担のあり方ということで、何を目的として1日当たりの予定食数を増やそうとしているのかという質問を行った。平成24年5月7日、大津市長は教育部長、教育部次長、そしてスクールランチの担当者と協議をされている。その中で、スクールランチの検討組織及び方式についてというところで、市長は、外部委員による検討組織は設置せず、時間と経費をかけずにスクールランチを導入したい、ゆえにスクールランチの方式は学校給食法によらないあっせん弁当方式とするということを示唆された。この時点では、実施時期について、平成25年4月よりできるところから実施し、平成26年度に検証したいとも述べられている。あっせん弁当方式について教育部長は、あっせん弁当方式では利用率は低く、就学援助の対象にならないことを確認されている。
その上で市長は、「家庭の手づくり弁当を基本としなければ利用率は上がるのではないか。就学援助の対象とならないことは認識している。お金と時間をかけずに、まずは保護者負担の軽減と安全な昼食提供の観点からスクールランチを始めたい」と述べられている。事前に公文書の開示を受けた議事録を読み上げさせていただいた。
私は思うのだが、大津市並びに大津市教育委員会が、弁当を持ってこられない保護者並びに生徒に対し、一つの選択肢としてこうした制度・機会もあるので、どうぞ御検討くださいということで十分ではないのか。何も利用率を上げることを目的とする必要は一切ないと思っている。市長は当初、家庭の手づくり弁当をしなければ利用率は上がるのではないかとの見解を示されたが、そのことについての真意を確認する。
答弁:教育長 |
マニフェストとの関係であるが、教育委員会といたしましては、より生徒や保護者に望まれるスクールランチの実現を目指しまして事業者選定の範囲を広げたものであり、このことは本年の6月から7月にかけまして市長協議の中でも議論をし、決定したものである。スクールランチ関連のマニフェストとして掲げられている地元事業者の活用及び地産地消の推進については、事業推進の視点として尊重しながら、可能な限りその実現に努めてまいりたいと考えている。
また、利用率向上と手づくり弁当についてであるが、教育委員会といたしましては、以前から中学校の昼食につきましては手づくり弁当を基本としており、そのことによって子どもたちと保護者のきずなが深まるというようなことを申し上げてきた。その考えには変わりはない。ただ、保護者の弁当づくりの負担軽減やより栄養価の考えられた安全なスクールランチを子どもに提供していくことを思っており、いわゆる手づくり弁当そのものを少なくしてまでスクールランチを増やすということでなく、利用いただける限りは、より安全で良質なスクールランチを提供することによってその利用者を増やしていきたいと考えている。
再々問 |
1点目、市長マニフェストについて、特に問題はないと理解されていると解釈したので重ねて問う。であるならばなぜ、実施方針に書かれた事業推進における7つの視点と、事業者説明会において配付された資料における事業推進の視点が異なるのか。事業実施方針については、マニフェストからの引用で「地元事業者の活用」、ノウハウを有する事業者の選定と書いている。しかしながら、プロポーザルの説明会においては、「民間手法の活用」ということで言葉が変わっている。議会に対して、9月19日、教育厚生常任委員会で説明をいただいた際にも、事業推進の視点というのは「地元事業者の活用」から「民間手法の活用」に変わっている。PTA連合会に対して説明されているときもそういう表現で変えられている。改めて資料をさかのぼって確認したが、9月14日の段階において市長と協議をされているが、もうその時点で「地元事業者の活用」という表現と、先ほど申し上げた「民間手法の活用」という言葉が混在している。再度確認するが、なぜ「地元事業者の活用」という言葉を「民間手法の活用」という表現に変えられたのか。
もう一点、先ほど家庭の手づくり弁当を基本としなければ利用率は上がるのではないかということで、市長は5月の段階で非常に利用率を気にしておられるが、利用率を目標数値に置くのではなく、こうした機会を広く知っていただき、利用いただける方にはいただければいいという考えなのか。
答弁:教育長 |
指摘のとおり、9月の教育厚生常任委員会での説明資料では民間手法の活用という形で示させていただいたが、10月の実施方針におきましては、事業推進の視点の一つとして地元事業者の活用ということで位置づけをさせていただいた。これについては、市内の事業者をいわゆる指定してのプロポーザル方式でなく、より有効な手法をお持ちの事業者にもやはり応募いただく必要があるという観点から、市内事業者の活用というふうにマニフェストに沿って表現をしたが、実際にやらせていただいたのは、より市内事業者との連携を図るということで、その後の事業者との連携の話の中で、地元事業者なり人材の雇用を求めていくという判断をした。
二つ目の利用率の向上でございますけども、先ほども申しましたように、いわゆる弁当の持参ができない子どもたちが、現在は学校のパンなり、あるいはどこかでお弁当を購入しているが、そうした子どもたちにもできるだけ選択肢を多くしていくということ、そのためにもこのスクールランチは、先ほど申したように、栄養のバランスなりといったことを考え、選択肢として選んでもらえるように、良質な昼食の提供になるようにしていくことによって、スクールランチの利用率は上がってくると考えたものである。
再々々問 |
公募型プロポーザルの説明会時において、11月12日の段階で事業推進の視点が「民間手法の活用」とされていることを申し上げている。加えて、事業実施方針というのも別に定められていて、それについては「地元事業者の活用」ということで公募がなされているということが問題であると提起をしている。
今回公募に当たっては、説明に来られたのが県外業者2社、市内業者1社。そのうちの1社というのは大手コンビニエンスストアの系列の会社である。8月14日の段階で、スクールランチ推進室殿ということで、「このたびはスクールランチ協働の御推挙をいただきありがとうございました。弊社にとりましては、スクールランチ給食への協働は光栄なことと存じます。早速社内で検討いたしましたが、現状では学校給食に対しての知見に乏しく、皆様の御要望にお応えできる提案ができかねますため、御辞退させていただきたく存じます。何とぞ弊社事情を酌み取っていただき、御理解ください。」ということで、こういった文書が8月の時点で大手コンビニエンスストアの系列店から届いている。
何をもって辞退をされたのかよくわからないが、この11月12日の説明会にも親会社が来られており、最終的に提案があったのがこれ以外の県外業者と市内業者の2社であった。ちなみに、採択は明日されるのですね。私は、今回の公募型プロポーザルについては、十分精査がなされずに実施されたので、こういう形で事業者を選定するのはなじまないと考えている。といいますのが、県外から1社の応募があったが、この事業者は南部共同調理場、平成25年度から委託を受けられる予定の事業者さんであり、12月4日の段階で最優秀事業者として決定を受けられております。もう一社さんというのは、今まで平成24年度中、南部共同調理場の委託を受けていただいた事業者さん、この2社である。
申し上げたいのは、大津市は公募型プロポーザルにすることによって、広く全国からさまざまな応募をいただきたいという発想であったと思うが、私は、少なくともこの県外事業者さんは、給食センターにもエントリーいただいていており、11月19日に1次予選があって6社から3社に決定されて、11月29日に3社あったうちから決定されている。そういったことで、教育委員会といろいろな情報交換がきっとあったはずであり、スクールランチを大津市が導入しようとしていることについても一定御理解がいただけたのかなと。そのことも踏まえて提案をいただいたかと推察するわけですが、両論併記のような形で公募型プロポーザルがされ、事業者が採択されるということに対して私は非常に危惧を覚えるわけであるが、その点に関して教育長の見解を問う。
答弁:教育長 |
いわゆる小学校を中心としている学校給食の調理をお願いする共同調理場の事業者の選定とは全く別のものとして、スクールランチの事業者は考えていく。
再々々々問 |
私が申し上げているのはその様な趣旨ではない。広く公募してプロポーザルを受けようとされたのですよ。その上で、実施方針と説明会時において説明されている内容が違うということに対して危惧を覚えている。実施方針については、あくまでも、再三申し上げているが、地元事業者を活用すると明記され、現時点でもインターネットで見られる。 もし私がそういった事業に携わる者であれば、地元事業者を活用することが前提となっており、ちゅうちょすると思う。であるにも関わらず、説明会当日に配布された資料にはそうは書かれてない。全く別の表現で「民間手法の活用」と書かれている。本来広く公募されたかったのに、そういう機会が損なわれたのではないか、そういう状態の中で業者を選定することに課題が残るのではないかと思うが、教育長の見解を問う。
答弁:教育長 |
スクールランチの事業実施方針については、議員指摘のとおり、地元事業者の活用といったことが書かれているが、私どもとしては、広く市内、市外を問わずに公募するということを改めて発信をさせていただいたところであり、妥当であったと考えている。