市有施設等における農薬等の適正利用と室内環境における化学物質対策について( H23. 2)

質 問 (市有施設等における農薬等の適正使用について)

  11月定例会、大津市は健康へのリスクと環境への負荷を最小限にとどめるため、環境省が策定した『公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル』等を参考に市有施設等における病害虫駆除において総合防除を推進していくことを明らかにした。総合防除とは、様々な防除手段を有機的に組み合わせ、生態系との調和を図りながら害虫による被害を許容水準以下に減少させ、維持させることを意味する言葉であると理解しているが、今後これを具体化するために必要なガイドラインをどういう形で策定するか、見解を問う。

答弁:産業観光部長

  農薬や殺虫剤等は、その使い方によって人の健康や生活環境等に影響を及ぼすおそれがある。そこで本市では、市が所有または管理する土地や樹木等の維持管理にあたっては、病害虫被害の早期発見に努めるとともに、防除するときは薬剤を使用しない防除方法を優先し、やむを得ず薬剤を使用する場合においても、必要最小限の量および区域とすること等を定めた農薬殺虫剤等薬剤適正使用ガイドラインを策定し、本年4月1日から適用する。このガイドラインの内容等を職員に周知するため、3月16日に研修会を開催するとともに、今後は農薬安全使用月間等の機会をとらえて総合防除の考え方を徹底する。 


質 問 (室内環境における化学物質対策について)

  本市においては、平成22年3月に化学物質対策庁内連絡会議を設置して以降、先進地への視察や研修会を開催するなど、室内環境における化学物質対策について全庁的な理解に努めてきた。市民の健康、さらには環境への影響に配慮したガイドラインの策定に期待するが、市有施設等における農薬等の適正使用を目的としたガイドラインとの整合をどのように図っていくのか、見解を問う。

答弁:健康保険部長

  室内環境における化学物質対策については、現在、先進地の事例など各種の情報を収集整理しながら、鋭意ガイドラインの策定に取り組んでいる。これらの化学物質対策は大変多岐にわたることから関係者の共通認識をはかるため、庁内連絡会議のメンバーをはじめ、公共施設の管理者を対象として昨年11月、専門家を招き、庁内研修会を開催した。建物内の対策のみならず、敷地内の樹木や植栽の管理を含めた一体的な対策を講じることの必要性をあらためて認識した。そこで、現在策定を進めているガイドラインについても、産業観光部が策定した農薬等の適正使用にかかるガイドラインと同様に、施設利用者はもとより周辺住民への健康被害が及ばないようにすること、さらに環境負荷の低減をはかることを共通の基本目標として、二つのガイドラインの整合を図っており、室内環境のみならず屋外環境との一体的な対策に取り組んでいく。また、ガイドライン策定後は、庁内連絡会議において継続的に運用状況を確認し、誰もが快適で安心して施設利用が出来るよう努めていく。

再 問

  両ガイドラインとも揮発性有機化合物が原因となって生じる健康被害や環境悪化を防ぐために効果的なものになると期待する。ガイドラインが二本立てになっており、所管する部が産業観光部、健康保険部に分かれている。場合によっては補完し合って対策にあたらなければならない事案等も想定されるが、こういう連携にどういう体制で取り組んでいくのか、見解を問う。 

答弁:健康保険部長

 二つのガイドラインの関係は、基本的には横並びで並列の関係になると考える。産業観光部が策定するガイドラインは、農作物や樹木に薬剤を使用する際の取扱い等である。一方、保健所が策定しようとするガイドラインは、公共施設の室内さらには敷地内において人の健康や環境に影響を与える恐れのある化学物質全般を対象としている。また、化学物質過敏症についても健康相談等の対応を盛り込む予定をしている。例えば、学校等は教室があり校庭があり、樹木もある。こういう場合、一体的な管理が必要であるので、その部分については産業観光部のガイドラインを、樹木については保健所で策定するガイドラインで、産業観光部のガイドラインを遵守することを求めるように、こちらのガイドラインでうたう等といった形でカバーをする考えである。二つのガイドラインで対応に隙間が生じないように、しっかりと連携を取りながら、また、策定後の運用状況もチェックしていきたい。

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