新大津市文化振興ビジョン策定に向けた取り組みについて( H22. 8)
質 問 |
現在、平成23年から平成32年までを計画期間とする新大津市文化振興ビジョンの策定作業が進められている。本市の文化振興の将来像を展望し、文化行政を総合的、計画的に推進するための指針であると理解しているが、平成12年に策定され、今年度を目標年次とする大津市文化振興ビジョンが基本目標とした「ちりばめられた個性輝くまち・大津」の実現は、どういう形で図られてきたのか。文化振興の基本方向に掲げられた事業に対する総合的な評価を踏まえ、見解を問う。
また、ビジョンの推進に向けて取り組みが必要とされた市民と行政のパートナーシップの確立、文化行政を総合的に推進するための庁内体制の整備はどういう形で図られてきたのか。新大津市文化振興ビジョン策定懇話会設置要綱による、懇話会の所掌事務に関して、専門的な調査、研究を行うための幹事会が、今回は設置されていない。幹事には各部の次長職にあった職員が就任され、ビジョンを推進する上において一定の役割を果たすものであったと考えるが、今回、幹事会を設置されない理由を問う。
ビジョンが影響を及ぼす施策は多岐にわたることから、これまで制定されてきた各種計画との整合を図り、どういう取り組みであれば相乗的な効果が期待できるのかなど、全庁的な協議を行った上で策定すべきと考える。また、これまでビジョンが対象としてきた芸術文化、歴史・伝統文化、市民が主体的に取り組む文化活動、文化的な都市環境という領域は市政全般にわたるものであり、パブリックコメントの実施はもちろんのこと、三者協働によるまちづくりを推進するのであれば、広く市民、事業者、団体の意見をより一層、主体的に求められるべきであると考える。総合的な文化行政の推進に向け、各行政分野と文化との関わりを整理し、分野ごとに施策を体系化することで今後の取り組みの柱を明確化すること、このことは現ビジョンにおける策定目的の一つであり、今後も継続して取り組んでいくものであると考えるが、大津市は何を目的として新しい文化振興ビジョンを策定するのか、見解を問う。
答弁:市民部長 |
大津市文化振興ビジョンの基本目標である「ちりばめられた個性輝くまち・大津」の実現がどのように図られてきたかについて。基本目標を実現するために、五つの基本方向を掲げ、具体的な取り組み項目や事業を推進してきた。これらの取り組み項目などが達成できることにより、基本目標の実現が図られると考えるが、平成12年3月の策定以後、これまで年次的な進捗状況が把握できていない。今年度、新たなビジョンの策定に当たり、現ビジョンの基本方向で示された取り組み例を参考に、これまでの取り組み状況を現在、各部局に照会中であり、今月中に集約し、五つの基本方向の達成状況を見極めた上で総合的な評価を行っていきたいと考えている。
市民と行政のパートナーシップの確立、文化行政を総合的に推進するための庁内体制の整備はどのように図られてきたかについて。市民と行政のパートナーシップの確立については、取り組み状況を把握する中で、市民、行政、事業者が協働して実施している事業の把握も行い、パートナーシップの確立について検証していきたいと考えている。なお、現在、市民、事業者、行政の三者協働のあり方、また、その仕組みづくりについて、現在検討を進めているところであるが、それらとも連携を図りながら、新しい新ビジョンへの策定を進めていきたいとも考えている。文化行政を総合的に推進するための庁内体制の整備について。現ビジョン策定以降、整備できていないのが現状である。新ビジョン策定後の庁内推進体制についても検討を進めていきたい。
新大津市文化振興ビジョン策定懇話会に幹事会を設置しない理由について。今回は幹事会を設けていない。しかし、新ビジョンの策定のプロセスにおいて全庁的な合意形成を図ることは大変重要であるとは考えている。幹事会は今回設けていないが、必要に応じ、各部局、次長級で構成している政策調整会議等の機会を捉え、各部局の意見を聴取するとともに、市職員に対して意見募集を行うなど、庁内の合意形成に努めていきたいと考えている。広く市民、事業者、団体の意見を求めるべきとの指摘について。策定懇話会から答申する基本案がまとまった上で、来年1月ないし2月にパブリックコメントを実施し、広く市民の意見を反映させていく。
新しい文化振興ビジョンを策定する目的について。現在の文化振興ビジョンは策定から早10年が経過し、この間、政治や経済情勢をはじめ、少子高齢化や高度情報化など社会構造が目まぐるしく変わり、また旧志賀町との合併、あるいは中核市への移行など、本市を取り巻く状況も大きく変化している。ついては現ビジョンの策定目的も踏まえ、新しい時代にふさわしい本市の文化振興施策を総合的、体系的、また効率的に推進していくために、新たな指針を策定するものである。
再 問 |
今現在、10年ビジョンを取り組まれている部長の答弁とは思えない。今までどういう形で進捗が図られてきたかということを現時点でまだ認識されていないと。よって、今現在、各部に照会され、その確認作業をされているという正直な答弁をいただいた。その上で、再度問う。私は、先の2月議会において、水文化が生かされる高さ規制についてという質問をした。湖都にふさわしい都市空間の創造に近江八景を重ね合わせ、高さの規制を検討されているというように理解した上で質問をし、都市計画部長の答弁は、水文化がいわゆる大津の生活文化に非常に密接に関係していて、だからこそ市民の皆さんは琵琶湖を大切に思っているのだという答弁であったと理解し、いい議論ができたと思っている。
しかし、先ほどの答弁の中で、幹事会という形は設けられないが、次長級の皆さんが集まる会議の場において、そういう意見も賜るということであった。現状を踏まえるのであれば、もっと主体的に実施いただきたいと思う。「うちの部は文化についてこう思っている、環境部はこう思っている、都市計画部はこう思っているのだ」というように庁内でもっと文化を語り合っていただいた中で、市民に対して、大津市は10年間この文化ビジョンでやっていくのだということを訴えていただかなければ、せっかく策定された文化振興ビジョンが何ら影響するものでなくなってしまうのは非常に残念である。その上で、今後どういう形で主体的に庁内の合意形成を図っていかれるのか、今の再問を踏まえて見解を問う。
答弁:市民部長 |
今後、庁内の合意形成をどのように図っていくのかについて。述べられるように文化には地域活性化を図る中で、文化の果たす役割は大変極めて重要であり、新ビジョンが心豊かで活力にあふれた大津のまちづくりの実現に向けた指針となるよう努力していきたいと思う。また、政策調整会議、あるいは色々な機会があろうかと思うが、その機会を捉えながら庁内の合意形成に努めていきたいと思うので、理解賜りたい。