認知症サポーターの育成について( H20. 2)
質 問 |
認知症は、だれにでも起こり得る脳の病気に起因するもので、わが国の認知症高齢者の将来推計は、2015年には約250万人、2025年には約323万人となっており、本市総合計画においても、支援の推進が記されている。認知症に対する偏見や誤解をなくすとともに、認知症になっても尊厳を持って地域で暮らせるように、厚生労働省は、平成17年から、認知症を知り地域をつくる10カ年構想をスタートさせた。
認知症サポーター100万人キャラバンは、その一環の事業で、地域で暮らす認知症の人や、その家族を見守る応援者である認知症サポーターを100万人養成しようという取り組みで、専門的な知識のある方で、養成研修を修了された方がキャラバンメイトとして登録。認知症サポーター養成講座の開催を希望される団体、グループに派遣され、認知症に対する正しい知識と、認知症の人に対する具体的な対応方法などを指導されている。講座を受ければ認知症サポーターになることができ、その印として、オレンジ色のリングが授与される。本市では、認知症の人と家族の会がこの活動に取り組んでおられ、三者協働の観点からも積極的に取り組んでいくべきと考え、現時点における活動評価と、今後の展望を問う。また、地域包括支援センターでは、早期の発見という観点からも、かかりつけ医と連携した認知症対応システムの整備が期待されるが、本市の見解を問う。
答弁:健康福祉部長 |
大津市は昨年9月より、認知症の人と家族の会の要請を受け、認知症の人や家族を応援する認知症サポーター養成講座の開催を支援している。具体的には「広報おおつ」、市のホームページ等にて養成講座を広報するとともに、地域包括支援センターが講座開催の申込先となって、認知症を知り、地域へ広げる活動として積極的に推進をしている。これまでに老人クラブや自治会をはじめ、民生委員児童委員、介護サービス利用者の家族、民間企業等から11回の申し込みがあり、263人のサポーターが誕生。また、現時点においても、3件の講座開催の依頼があり、今後も増えるものと考えている。
加えて、今月も認知症の人と家族の会と協力をし、認知症に詳しい市民や介護サービス事業者のスタッフ等を対象に、養成講座の講師になってもらうための講習会を開催したところ、11名の参加があり、地域に出向く啓発スタッフの育成も図られている。
養成講座を開催して半年が経過するが、講座参加者に話を伺う中で、開催の成果を感じており、今後も認知症の人と家族の会と協力をしながら、積極的に取組みたいと考えている。
認知症対応システムの整備については、認知症の早期発見のためには、かかりつけ医や認知症相談員、あるいは認知症に関する専門員にできるだけ早く受診することが、まず第一歩であると認識している。そのため、認知症サポーターが地域に数多く存在し、地域での見守りの中で、ふだんと違う状態をいち早く感じ取り、医療機関につなぐという医療と福祉の連携システムが必要であると考えている。
このシステムが有効に稼働するよう、今後も地域包括支援センターは、積極的にこれらに取組みたいと考えている。