住民自治の強化に向けた取り組みについて( H22. 6)
質 問 |
1点目、議員定数削減の目的について。今議会において大津市長は、大津市議会議員定数条例の一部を改正し、議員定数を40人から36人に削減する議案を提出された。提案説明によると、「今後一層簡素で効率的な市政運営を進めることが不可欠であると実感しているところであり、今議会において、議員定数の削減についても提案申し上げた」とのことである。また5月の市長定例記者会見における冒頭のあいさつの中では、「昨今の地方自治体の取り巻かれている行財政の環境に鑑みまして、より簡素で効率的な行政運営を図る目的で、定数削減を提案させてもらいたい」と述べておられる。私は、議員となってからの約3年間、市政運営の透明性向上、健全で持続可能な行財政運営がより一層図られるよう、議会、委員会の場でさまざまな提言を行い、情報公開制度を活用するなど、市政に対するチェックを主体的に行ってきたつもりである。
浜大津への庁舎移転計画に関しては、今も金利が増幅し続けている公社塩漬け土地の存在を明らかにし、小規模随意契約においては、不適切な事例を指摘した上、新たなガイドライン策定を促すなど、執行部の皆さんにとっては決して効率的な行政運営に寄与するものではなかったかもしれないが、市民の目線に立った効果的な取り組みであったと自負しており、新たな姉妹友好都市提携に向けた調査の必要性が認められなかったことを理由とした平成21年度一般会計予算案に対する修正予算案の提出は、大津市議会初ということもあり、身の引き締まる思いで提案をした。また、防災、減災力の向上、湖都にふさわしいまちなみの形成を目指し、庁舎本館棟の応急補強、高度利用のあり方検討に至る提言を行うなど、執行部とは緊張関係を保ちながらも、大津市が掲げる政策の実現に一定の役割を果たしてきたとも考えており、市民から寄せられた様々な意見が提言の背景にあったことは、申し上げるまでもない。地方自治の本旨は、団体自治及び住民自治の二つの意味における地方自治を確立することであり、現行憲法のもとで、二元代表制が本来の役割を発揮するには、市長と市議会における機能バランスの調和を図り、結果として住民福祉の向上につなげることが大前提になっていると理解しているが、大津市長はパブリックコメントもとらないまま、簡素で効率的な市政運営を目的とし、議員定数の削減を提案された。
議員定数が削減されることによって促進される効果とは何であるのか。また、その上で、多様な民意をいかにして市政に反映させていかれるつもりなのか。市長の見解を問う。
2点目、政策形成過程のあり方について。大津市長は、5月の定例記者会見において、議員の立候補を雨後のたけのこに、また議員そのものをコイの洗いに例え、5月臨時会の冒頭、議長と全交渉会派代表からの抗議のあった部分について、発言の撤回と謝罪をされたが、議員定数の削減を市長が公言されるまでに至る間、執行部内においてどのような協議、調整が図られたのか。大津市庁議規程によると、『市政の基本方針に係る市長の意思決定に必要な協議を行うとともに、市の各機関及び部局間の総合的な調整を行うことにより、市政の効率的な運営を図るため、二役会議、部長会議、政策調整会議及び所属長会議を置く』とあるが、庁舎の建て替え問題をめぐっては、市議会本会議で当時の政策調整部長が答弁された内容と、その後の定例記者会見で市長が発言された内容に食い違いが生じた。現在、地域主権の確立を目指した地方自治法の抜本的な見直しが、地方行財政検討会議において検討されており、今後、地方自治体の責任領域が拡大されることが予測される。本市においても、政策形成過程を見直すべき時期に来ていると考えるが、市長の見解を問う。
3点目、『市長とふれあいトーク』について。現在、本市においては、大津市協働のルール策定委員会が設置され、市民、事業者、行政が地域の課題を共有し、その解決に向けての役割分担や、その基礎となる協働推進の理念や、具体策の方向性、さらには三者が協働してまちづくりを推進する仕組みづくりに必要なルールについて、検討が進められている。
将来、大津市が自治体としての意思決定システムを再定義する際にも生かされるルールであると評価しており、条例の制定に向けたより活発な議論を期待するものであるが、協働による自治の推進に寄与する、『市長とふれあいトーク』が長らく開催されていない。『市長とふれあいトーク』は、市長が市民の生活の場や活動の場に出かけて、市民と気軽に意見交換をする中から、意見や提案を市政に反映させていくとともに、対話を通して市政への理解を深めることを目的としており、これまで計18団体との間で実施されてきた。
市民と行政のパートナーシップを築き上げる上で意義深い取り組みであり、平成20年度、21年度においては5回の開催を予定されていたが、両年度とも一度も開催されることなく、予算は未執行となった。今年度においても、3回の開催を予定され、必要となる予算を措置されているが、大津市は対話の相手を募集するため、市民に対してどのような働きかけを行っているのか。『市長とふれあいトーク』実施要項によると、対話の相手は、広報紙や市のホームページ等の媒体を通じて募集する場合と、市が必要に応じて選定する場合の2方法を併用すると定めているが、『広報おおつ』において、参加グループ、団体を募集されたのは、平成16年10月15日号が最後であり、ホームページにおいても、申し込みに必要となる具体的な事項について、情報の発信はなされていない。
市内に在住、もしくは通勤、通学している方で構成され、市内で自主的に活動を行っているグループまたは団体で、政治、宗教、営利を目的としなければ、市長の対話の相手として申し込むことができるこの制度は、今後大津市が協働によるまちづくりを推進する上で、大切にすべき事業であると考える。また、対話の内容が『こちら市長室』で公表されることの異議は大きいと考えるが、過年度における予算未執行の状況を踏まえれば、大津市が主体的に対話の相手を募集し、選定されているとは思えない。今後、大津市長は、どのような姿勢で『市長とふれあいトーク』に臨まれ、多様な市民意見を市政に反映されていかれるつもりなのか、見解を問う。
答弁:大津市長 |
議員定数が削減されることによって促進される効率とは何であるかについて。本市では執行部における取り組みとして、これまでから行政改革を継続的に実施し、簡素で効率的な行政運営に務めてきたところである。一方、地方自治法第2条第15項では、『地方公共団体は常にその組織及び運営の合理化に努めなければならない』と規定され、その趣旨からすれば、市議会においても組織や運営のあり方について、常に議論いただくことが必要であると考えている。そうした考え方のもと、中核市に移行した本市が、類似の都市との比較において、議員定数の問題について議論の余地があるのではないかとの考えから、本議案を提案した。多様な民意を生かして市政に反映させていくことについて、議員定数を1割削減しても、36名の議員の方々に民意の把握により一層努めていただければ、十分に多様な民意は反映されると考えている。また、自治会や各種団体などを通じた要望も、市民の声が市政に反映される機会として機能しているものと思っている。
答弁:政策調整部長 |
政策形成過程のあり方のうち、1点目の議員定数削減について市長の公言に至るまでの執行部内の協議、調整について。各部局に係る重要課題等を二役と協議する場である主要事業ヒアリングの際に、当初の議員削減についての市長の発案を重要課題の一つと位置づけ、協議するとともに、その結果をもとにさらに副市長、関係部長と協議を重ねた上、提案に至ったものである。
2点目の政策形成過程を見直すべき時期に来ていると考えるが、市長の見解を問うについて。本市においても地域主権の確立が今後一層求められていくことから、市長のトップマネジメントを強力に補佐し、政策推進と行政改革を一体的かつ戦略的に推進し、あわせて市民の声、現場の声も速やかに反映できるような政策形成過程が必要であると考えている。こうしたことから、他都市の状況も参考にしながら、本市の政策形成過程のあり方についての調査研究に着手していきたいと考えている。
答弁:市民部長 |
『市長とふれあいトーク』についての1点目、対話の相手募集に向けた市民に対する働きかけについて。これまで実施してきた18団体とのトークの様子は、すべてホームページ上で公開しているが、募集に係る周知については、不十分な点もあり、今後は関係部局と協議の上、周知に努めていく。
2点目の当該事業に臨む姿勢と多様な市民意見の市政への反映について。市長が市民の生活や活動の場に出向き、顔の見える関係づくりを構築することは協働の第一歩であり、その手法としての当該事業は極めて有益なものと考えている。したがって、今後ともいただいた建設的、創造的な意見や提言を、将来の市政運営に生かしていけるよう、努力していきたいと考える。
再 問 |
議員定数の削減は行政改革の一環だということで理解していいのか。平成18年に施行された『簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律』によると、この中で市長がおっしゃる『簡素で効率的な』という言葉が用いられている。この法律が制定された目的は、『この法律は簡素で効率的な政府を実現することが喫緊の課題であることに鑑み、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革について、その基本理念及び重点分野並びに各重点分野における改革の基本方針その他の重要事項を定める』というものであり、基本的には政策、金融改革、独立行政法人の見直し、また特別会計の改革、総人件費改革ということが書かれていて、国が行政改革を推進する上で策定された法律であると認識をしている。『簡素で効率的』という言葉を用いて提案されたので、まず1点そのことを確認する。
2点目、答弁は地方自治法第2条第15項『地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めて、その規模の適正化を図らなければならない』を引用されている。しかし、地方自治法第1条においては、『この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする』ということが大前提になっている。地方自治の本旨に基づいて地方自治法があると私は理解しており、議員定数の削減を、40人から36人に削減することが、この地方自治法第2条第15項における組織の合理化、運営の合理化につながっているのか、そのことをまず確認する。確かにおっしゃるとおり、議会というのも地方公共団体を組織するものであり、決して間違っているとは言わない。ただ、私は、あくまでも地方自治法は地方自治の本旨に基づいて解釈するものだと理解しており、あらためて問う。
また、議員定数について、中核市の人口の平均で算出いただいたが、算定式の根拠をチェックした。高知市の議員定数は、もともと40人で定数計算されていたが、確認したところ、高知市においては、現在既に4月1日時点において34人に変わっているので、市長が提案説明をされた段階とは平均の人数も変わっている状況である。もともとは35.4人、これを36人と言われたが、再度計算して総務課にも照会し、35.2人という結果が出た。今の答弁にもあったが、市長が何を優先されるかによって、我々も判断する内容が変わってくると考えている。行政改革の一環ということであれば、36人では中核市平均を満たすことはできないので、本来であれば35人にされるはずなのに、なぜ36人にされるのか、本意をつかみかねている。記者会見等で、また様々な場で発言されているが、学区の数が36であるから、36という数字を優先されているのか。また地方自治の本旨を考える中で、1人でも多い方がいいということで36という数字を提案されているのか、答弁をねがう。
次に政策形成過程のあり方について。政策調整部長から、『市長のトップマネジメントを戦略的に考えていきながら、効果的に取り組んでいけるようなものを目指していく』と答弁いただいたが、もう少し具体的にねがいたい。一例を挙げたが、直近では競輪事業における高松宮記念杯競輪。何度も議会で質問し、産業観光部長からは「133億円で頑張ります」という答弁をいただいたが、新聞紙上で「目標は110億円だ」と発言されたと後で知った。結果、110億円を切り、今後、関係機関と調整しながら検討されていくということであるが、市長として効果的な情報発信の仕方があるのではないかと思っている。どういう形で市政運営をしていくのがいいのか、いつも熟慮しながら判断されていると思ってはいるが、今、国の方で『地方政府』という言葉も使われ、今後の地方自治のあり方が真剣に議論されており、戦略的とされるのであれば、もう少し詳しく答弁いただきたい。
『市長とふれあいトーク』について、再問。周知に努めていただけるということであるが、やはり2年間、結果的に執行されていないので、再開するタイミングは難しいかと感じている。その議事録をすべて熟読したが、市長の人柄が感じられるような答弁があり、一例紹介すると、ある保護者の方が、「米飯給食をもっと増やしたらどうか」ということを市長にお話されたら、市長は、「米飯給食を増やすよりも、残さず御飯を食べてもらうことの方が大事だと思っている」と答えられている。その場にいなかったので、どういう雰囲気でその意見が出たのか分からないが、市長の人柄が伝わるというか、その方にとっては答えになっていなかったかもしれないが、私は、市長としてふさわしい答えだったと感銘を受けた。私自身、一人の市民として、そういう場があれば、今後、将来的にも参加できる機会があれば、本当にいいのにと思いながら、今この質問をしている。
大津市においては、協働推進を総合計画の基本構想に掲げている。どういう形でルールをつくっていこうかと、皆さん真剣に取り組んでいただいており、主体的に関わっておられる執行部もおられる。市長自らが率先して、市民の皆さんとともに語り合って、パートナーシップを構築し、協働の推進をやっているのだということを伝えていただくことは、事業者や団体、特に新住民の方が大津市は増えており、そういう方に、「大津市はこういう哲学を持ってまちづくりをしている」、「こういう理念を持ってまちをよくしていこうとしている」ということを感じてもらえれば、またその方々に協働を頑張ろうと感じてもらえるかもしれない。「自分たちの課はなかなか協働にはなじまない」と思っている方も、市長のそういう姿を間近に見ることができれば、頑張ってみようという気になるのではないかと思う。例えば、今、『ふれあいトーク』という名称となっているが、『結の協働トーク』という名称で実施するなど、政策的に、第2期実行計画も策定されたこともあるので、再定義され、新たな気持ちで、また市民の側も要望的なことを一方的に市長に申し上げるだけでなく、有意義な議論がなされ、協働につながるような機会になればいいと思う。再度、そういう考えがないか、見解を問う。
答弁:大津市長 |
私はやはり行政改革の一環であると、こういう認識をしている。昨日、他の議員から「二者択一の、どちらですか」という質問があったので、「財政の方です」と答えた経緯があるが、財政含めて行財政改革の一環としての定数削減の提案というふうに受け止めてもらえればいいのではないか。「地方自治法の第2条第15項では」ということで、地方公共団体は常にその組織及び運営の合理化に努めなければならないということは、議員も述べられたとおりである。したがって、そのものを包括的に解釈するなら、いわゆる議会もそういう中に含まれるのではという考え方のもとに議論をいただく、そういう機会をつくっていただければと、こういうことで申し上げた。
『ふれあいトーク』は、色々な媒体を通じて実施してきた。それぞれ市民に呼びかけをしていたが、結果的には今しばらくの間、申し込みがない。しかし、先ほど昼休みの間にファイルを読んでいると、7月9日に女性団体から『ふれあいトーク』の申し込みがあった。したがって、そういう団体と今度7月9日に、日程さえうまくいけばやらせてもらおうと考えている。いずれにしてもいろんな団体の方と『ふれあいトーク』をやらせてもらう。しかし、トークではなく要望される団体もたくさんあるので、それはなるべく避けてもらわないと、真のふれあいトークにはならないと私は思っている。女性団体の場合はそのようなことはないと思っており、7月9日にやらせてもらうという計画を立てているところである。
答弁:政策調整部長 |
政策形成過程のあり方を具体的に示すようにという質問について。庁議を一層機能化することはもとより、市民の意見をより反映した政策形成のあり方を考えていくことがまず一義的だと考えている。こうしたことから司法論的に、サイレントマジョリティーと言われる方々の意見も含めてお聞きできる、そういう仕組みづくりについて、研究をしていきたいと考えている。
答弁:市民部長 |
『ふれあいトーク』そのものを政策的な部門に、定義づけという質問について。現行体制の中で申し上げると、自治振興課、市民相談というところが承っている。市民相談がいわゆる個別広聴というならば、『市長とふれあいトーク』はいわゆる集団広聴である。そうした中で、広聴機能を一元化して、今現行体制を図っているところであるが、組織体制、あるいはそういったことについては、今後ルールの策定等の中で、広聴なり市民参画のあり方、といったことを検討していくので、また検討していきたいと思う。
再々問 |
「行革です」、「二択でそういう質問をいただいたので、あえてそういう趣旨で答弁した」という補足もいただいたが、大津市行政改革プランにそういうことは記載されていない。私は、議員定数の削減を行革だというのであれば、もっと減った方がいいのではないかと思われても当然のことだと思う。これまでの答弁の中で、「議員の定数は半分にしたらいい」ということをおっしゃってこられた方もいたようだ。
「中核市の人口平均で、36人でどうかと思って提案した」とおっしゃっているが、他の議員の質問において、「地方行財政検討会議のことをどのように踏まえられているのか」という質問があった。5月24日の第一分科会の資料の中に、以下の内容が述べられている。『議会の政策形成機能に着目する場合、議会は専門的知識を有する者で構成されることが望ましいと考える。その場合、これらの機能が発揮されるようにするためには、比較的少数の議員で審議を行うことが有効であるという考えもあり得る。一方、住民の意見反映等の機能に着目する場合、地域の多様な層から幅広い住民が議会に参加することが重要であり、多人数の議員により議会を構成し、審議を行うことが有効であるという考え方もあり得る。これら二つの考え方を想定して、その実現可能性や課題、実際に効果が期待できるかどうか等について検討を行っていく』という議論を今なされている。
財政的な見地を優先し、中核市、いわゆる地方自治法で定義づけられている、30万人から50万人の定数の上限46人ということをベースにし、30市を抽出して平均されたが、そうであるなら、各市において議員の報酬もまちまちで、当然議員の定数もまちまちである。予算的なことを優先されるのであれば、全議員の報酬を人口で割った数字を比較検討した中で導き出されるのも、今の市長の答えではあるのかと考える。市長のいわれるやり方で計算すれば、35.2人であり、35人にしなければ、中核市の平均を上回ることができず、行政改革は達成されないかと思う。それで「学区の数が36」と公言されてきたことから、そういうこともあったのかと聞いている。
また、定数削減をするということは、私も今登壇して、私の思いや、私のもとに寄せられる市民の思いをこのように伝える機会をルールに基づいていただいているが、当然議員数が減れば、そういう機会を与えられる方は減るわけです。
一例を紹介すると、同じように定数の削減を市長自ら提言された名古屋市においては、いわゆるその予算案の段階で、市民から意見を聞く、パブリックヒアリング、公聴会が開かれる。市民から意見を直接首長が聞き、それを議会に提案する前の予算に反映されるような形で、できるだけ多くの市民の皆さんと意見交換をする場を主体的に持っておられる。1月18日の中日新聞の記事で、河村市長は、「半日や1日かけてもよかった」、「予算案は内部で議論した結果だが、悩ましい点もまだまだあるし、市民への説明がもっと必要とも感じた」、「今日の意見を反映させていかんといかんでしょう」と話されている。
滋賀県内においても、野洲市が同様の取り組みをされ、できるだけ市民の皆さんに対して意見を求め、それを予算に反映しようとされている。
以前に「予算編成過程の公開をされてはどうか」と質問したが、既に取り組まれ、またそれをもとに市民に直接意見を聞いているところがあるということを、まず理解いただきたい。
2点目、まちづくり条例や、住民自治基本条例、また自治体基本条例等が策定される中で、例えば、まちづくり協議会に対し、今までのような形ではなく、公に機会を持つなど、「多様な意見を直接反映する制度を積極的に構築するので、議員定数削減が容認された分についても、決して住民自治の強化ということに対して、何も考えていないわけではない」と言ってもらえば、議論も進むと思う。また、草津市においては、今、草津未来研究所というものを設置し、大学とシンクタンク的なことをしながら、「どうすれば持続可能なまちづくりができるのか」、「市民の意見を生かしていけるのか」ということを議論され、まちづくりを議会とともにされている。
多様な民意をいかにして市政に反映させていくつもりなのかということを、なぜ質問しているかというと、市長自らが議員定数の削減をおっしゃっているからであり、パブリックコメントを取られなかったのは残念である。なぜかというと、他市の事例を見ると、議会においても定数削減する場合は、多くがパブリックコメントを取られ、色々な意見を踏まえた中で、議会で再度協議し、提案されているところもある。
市長が、「市民の意見」ということをおっしゃるのであれば、やはり広く市民に広聴なり発言の機会を持ってもらう中で、その意見の集約をもって、市民がこういうふうに言っているのだというようにする方が、有意義な議論ができるのではないかと考える。定数削減させた上で、民意をいかに反映させるのか、再度見解を問う。
『ふれあいトーク』について、募集がなかったということであるが、主体的に対話の相手を探してこられたとは思っていない。事務事業評価がなされ、効率的に開かれた行政運営という施策が掲げられているにも関わらず、予算は未執行であった。何が問題であったかということを、やはり真摯に踏まえていただきたい。担当課の電話番号が書いてあるが、「市長とふれあいトークをしたければ電話をしてきてください」というだけではなく、どういう団体を対象にして、どういう目的、どういう施策でこれをやっているかということを、市民に伝えた上でないと、本来の趣旨と違うコミュニケーションが図られてしまい、本来のふれあいが阻害されるのであれば、それは制度の問題だと思う。その点を踏まえて再度見解を問う。
答弁:大津市長 |
まず学区の36というのは、私は申し上げた記憶がない。しかし、結果的には36人の定数削減に学区の数がうまく合っているという印象は持っているが、そういうことで、学区を基軸にして36人と申し上げたものではない。それから、多様な意見を聞く機会という、『ふれあいトーク』のみならず、そういう機会ということから言えば、例えば市役所の中の若手職員と語る会や、大津市の行政をよくする会や、そういう機会も実はあり、『ふれあいトーク』ばかりという部分では、視点を変えた中で、そういうトークをする場合があるということも認識いただきたいと思っている。一方で自治連合会の会議もある。自治会長等の会話のなかでも、そういう『ふれあいトーク』に類似した会議もあると思っている。
それから、色々な意見を聞くこと、パブリックコメント云々の話も賜ったが、大事なことだと思う。しかし、一方で収拾がつくのかというような思いをすることがある。メールも、投書もたくさん来ている。よって、定数削減については、私のみが申し上げているのではなく、市民の出会う人、出会う人がそういう発言をする。そういうことからいうと、今回の提言する一つのいわばインパクトになっているのではないかと思っている。
それから、おっしゃられる二元代表性、私も選挙で選ばれる、議員も選ばれる。その中で緊張を保ちながら、大津市政の発展に、それぞれの立場の中で堅持していくということからいうと、私のみならず『ふれあいトーク』ばかりでなく、議員自身もそういう方向で、市民の中へ入って、市民の意見を聞いて、そしてここで討論をさせてもらう。あるいは指導いただけるようなことがあれば、そういう提案をいただく。そのことがより議会の活性化にもつながるのではないかと、そんな感じがしている。
答弁:市民部長 |
募集等、何が問題であったかということと、市民周知が不足していることはもう既に申し上げたとおりであるが、特に議員が述べたホームページ上での案内、あるいは募集要項等へのリンク、こういったものが貼られていないという状況であったので、そういうことを含め、改善していきたいと考えている。
再々再問 |
学区数とは申していないということであるが、4月16日、京都新聞に載っている。市長は、理由として「市内に36の学区がある、定数減で市議選が激戦となり、市議の認知度が上がる、議員が緊張感を持つ、市財政難などを挙げた」ということを述べておられる。
なぜ、私が政策形成過程の重要性を訴えているかというと、市長は「情報を収集しても収拾がつくのか」ということを述べられたが、多様な意見をどういう形で構築していくかということが、協働の基本となってくると思うからである。そうでなければ無理だと思う。よって、戦略的にどのようにしてやっていくのかということを問うたわけである。議員も市民の中で意見を聞いて、提案してくれということを述べられたが、私はさせていただいているつもりであるし、今後も精進しながらこういう場において提案させていただこうと思っている。再度、定数削減することによって多様な民意をいかにして反映させていくつもりか、見解を問う。
答弁:大津市長 |
京都新聞の記事を引用し、36の学区数の話を述べられたが、学区が36あるから36人という位置づけはしていない。その内容は、ただ「36ありますね」というだけで、それがイコール36学区だから36人というように述べていない。よってその辺のところは、皆さん方が直感してそう述べているものだと解釈している。
色々なことを情報収集し、あるいは課題を集約し、議員たるものはこの場において議論をする。それが議員としての役割であると思う。したがって、例えば40人の議員がそれぞれ市民の皆さんと接する、入っていく、そのことが大事である。市長に行けと言っても、なかなか『ふれあいトーク』のみではできるものではない。よって、40人いるなら、それら議員の皆さんが10人または、20人と、そこへ、今日、明日、明後日に分類しながら入っていってもらい、意見を聞いて、議会の中で討論ができるものはしてもらえばいいと思っている。加えて言うと、13日が「水防訓練」である。したがって、40人の議員の皆さんがそこへお越しいただけることを期待申し上げておきたいと思う。