登壇
3月6日、下記6項目について、質疑・一般質問を行いました。災害対応拠点となる市役所本庁舎については、大地震発生直後においても機能空間が確保されていなければなりません。 4年の任期、最終最後、大津市庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる今後の取り組みについてをテーマに質問を行いました。
これまで私が行ってきた質疑・一般質問については、谷ゆうじHP 指摘・提言の実績でご覧いただくことができます。
議会活動の軌跡としてご紹介させていただきます。
リンク:谷ゆうじHP 指摘・提言の実績
下記は質疑・一般質問における発言内容ならびに答弁内容を要約したものです。
正式な議事録ではございませんのであらかじめご承知おきを願います。
〇山中比叡平地域を運行するバス路線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて
令和4年12月17日、同地域を運行する京阪バス大津比叡平線、京都比叡平線において、路線の再編成、ダイヤの改正が行われました。京阪バス株式会社(以下、京阪バス)からは、このまま収支状況が改善されなければ、当該地域の輸送を廃止せざるを得ないとの見解が示されていることもあり、同年12月13日に市民センターで開催された説明会には多くの地域住民が参加をされました。通学にバスを利用されている学生の皆さん、通勤や通院にバスを利用されている皆さんの切実なご意見を聞かせていただき、私自身も危機感を共有させていただきました。
バス路線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正は、大津市都市計画マスタープランにおいて、将来都市構造の基本的な考え方として掲げる「コンパクト+ネットワークによるまちづくり」にも大きな影響を及ぼすことを踏まえ、以下、2点質問を行います。
1点目、大津比叡平線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて。国土交通省は国庫補助金計画認定申請に係る地域キロ当たりの標準経常費用を毎年公表しています。この標準経常費用は補助金算定などの際の基準となるもので、経済圏や地理的条件をもとに分けた全国 21 のブロック(標準原価ブロック)毎に決定されています。当該費用は一定の要件を満たすバス事業者の原価を平均したものであり、大津市は北近畿ブロックに位置付けられています。令和4年度予算においては、同ブロックの標準単価である402.65円と京阪バスが示す輸送単価556.56円の平均をとった479.61円を折半単価として採用されてきましたが、令和5年度においては、京都市に近い地理的要因と同社における当該路線の管轄が山科営業所であることに鑑み、京阪神ブロックの標準単価である548.36円を採用されました。
ちなみに、大津市が支出する補助金は当該補助対象系統の実車走行キロに同額を乗じた額から経常収益と国庫補助金等を減じた額となることから、当初予算で措置されている979万6千円はあくまで上限額となります。補助金額を算定されるにあたり、標準単価の地域区分を見直されたことについては評価をするものですが、算定要素となる経常収益のうち、運賃収入の見込みが達成困難なものとなっていないか、危惧の念を抱くものです。
国土交通省が公表している乗合バス事業の収支状況によると、輸送単価に占める人件費の割合は最も高くなっています。輸送人員数の減少が全国的な課題となるなか、乗合バス事業者の経営環境が厳しいことは理解するものの、多くの地域住民の皆さんから、生活実態に見合ったダイヤでないと利用しようにもし難いとのご意見が寄せられています。
大津市は補助金額の算定を行うにあたり、運賃収入をどの様な見込のもとで算出されたのでしょうか。地域住民の皆様とも見込み額の共有を図る必要があると考えますが、バス路線の存続、市民ニーズに見合ったダイヤの改正を実現するにあたり、この度の標準単価の見直しは京阪バスからどの様に評価をされているでしょうか。
また、先の通常会議において、教育長からは、令和5年度以降の対応について、児童生徒の学校生活に影響が出ないよう、児童生徒や保護者の声を聞き、下校時間帯に路線バスを運行していただけるよう、京阪バスにダイヤ改正を要望していく方針が示されました。現時点における取り組み状況と今後の対応について見解を求めます。
2点目、京都比叡平線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて。大津市は先の通常会議において、国の地域幹線系統補助及び関係自治体の協調補助を新たに確保するため、現在、国、滋賀県、京都市及び京都府との調整を進めていること、また、京都比叡平線の利用者の大半が大津市民であることを考慮すると運行支援における各自治体の負担割合の調整が課題であるとの見解を示されました。
同地域においては京都市に隣接していることから、多数の児童生徒が同市内の学校に通学されています。令和5年度当初予算におけるバス路線運行等対策費補助金に同路線は含まれていませんが、現時点における国、滋賀県、京都市、京都府との協議経過と今後の取り組み方針について見解を求めます。
答弁:建設部長
大津比叡平線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについてのうち、一つ目の運賃収入をどのような見込みのもと算出されたのか、また、標準単価の見直しは、京阪バス株式会社からどのように評価されているのかについてでありますが、地域バス路線運行等対策費補助金の算定に用いる運賃収入の見込み額については、過年度の実績額に減便等の影響を反映して算出しております。
また、新年度当初予算における大津比叡平線の標準単価の見直しの評価につきましては、京阪バス株式会社は、比叡平地域の運行を引き続き行うための必須条件であるとされております。
次に、2点目の京都比叡平線に関する現時点での国及び関係自治体との協議経過と今後の取り組み方針についてでありますが、昨年の11月から滋賀運輸支局、滋賀県及び京都市とは継続的に協議を重ね、各機関を通じて京都運輸支局や京都府とも調整を行っているところです。今後も国及び関係自治体との協調による運行支援の実現に向け、協議調整を重ねてまいります。
答弁:教育長
大津比叡平線のダイヤ改正の実現に向けた取り組みについてのうち、2点目の京阪バス株式会社への要望の取り組み状況と今後の対応についてでありますが、要望につきましては、まずは児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画とするための協議の場を設定いただくよう、大津市と教育委員会が連名で要望書を提出いたしました。今後も関係部局と連携しながら、京阪バス株式会社への働きかけを続けてまいります。
再質問
1点目、教育長からご答弁いただいた内容についてです。要望書を提出をなされた時期と京阪バスとの協議状況などについてもう少し詳しくお聞かせをください。
2点目、建設部長から協調支援をいただくにあたり、令和5年度、どういったスケジュール、目標を持って実現を目指していただけるのか。もう少し詳しくお聞かせをいただけないでしょうか。
答弁:教育長
連名で要望書を提出しましたのは2月28日に提出しております。担当課からは、その後、協議の場の設定について、了承していただいてるというふうに聞いております。まずは、今の学校の状況をつかみながら、その協議の場、これはまだいつかは決まっておりませんが、その中で詳細を協議して参りたいと考えております。
答弁:建設部長
京都比叡平線の協調支援の目標を持ってということでございます。先ほど申しましたが、現在、京都市、滋賀県、また京都運輸局、関係機関と協議を重ねております。内容につきましては、減便いわゆる廃止の報告をするとともに、新たな補助制度の検討依頼をしております。またその中では、負担割合のこととかを協議させていただいており、目標でございますが、京阪バスからは令和6年度の補助を要望をされておりますことから、令和6年度の予算要求の時期までには間に合うように対応してまいりたいと考えております。
再々質問
教育長にお伺いをいたします。新学期に向けて、スピード感を持って取り組んでいただきたいと期待するものですが、改めて見解を求めます。
答弁:教育長
現在、利用している学校からは、特に下校の時間帯に本数が少ない。水曜日は増発をしていると聞いておりますので、その辺り含めまして、協議の場で要望してまいりたいと考えております。
〇大津祭曳山展示館における観覧料徴収のあり方について
1点目、展示や事業内容の充実に向けた取り組みについて。今期通常会議において、大津祭曳山展示館における展示の観覧を有料とするため、大津市大津祭曳山展示館条例の一部を改正するための議案が市議会に提出をされました。大津市は見直しの方向性として、観光客はもとより、祭りを受け継ぐ世代に親しまれ、楽しんでもらえる展示や事業が必要とされていますが、これまで無料であった展示の観覧を有料とするにあたり、どのような方針のもとで展示や事業の充実を図っていくつもりなのか。バリアフリーの対応状況に対する自己評価とあわせて見解を求めます。
2点目、観覧料徴収に伴う課題の解決に向けた取り組みについて。多目的ホールの利用者からは観覧料を徴収されないと事前に説明を受けていますが、常設展示を観覧する際の動線と混在をしています。
また、大津祭開催期間中には、一時期に数多くの来訪者が入館されることになります。曳山が展示されている吹き抜けの1階においては、道路面に面して全面に開口部が確保されおり、これまでは自由に出入りができましたが、今後は先もって料金を支払っていただくこととなり、出入口付近での混雑が想定されます。入館の際、指定管理者の職員がその都度、来館の目的を確認されるとのことでしたが、入口にて混乱をきたすことがないか、懸念するものです。
大津市は大津祭曳山展示館の安定的かつ効率的な運営を実現するにあたり、1階出入口から多目的ホールへ向かう動線と常設展示を観覧するための動線が混在すること、また、多数の来場者があった場合、出入口付近での混雑が想定されることを踏まえ、今後、どの様な方針のもとで観覧料を適切に徴収していくつもりなのか。このことに対する大津市の課題認識とあわせて見解を求めます。
答弁:産業観光部長
1項目めの展示や事業内容の充実に向けた取り組みについてでありますが、大津祭曳山展示館については、今後の施設の方向性として、祭の歴史や伝統を継承し、支えるとともに、年間を通じて祭りの魅力を体感することができる施設を目指していきたいと考えており、ポケットパーク等を活用した大津祭関連のイベントの開催など、指定管理者が有する知見等を生かした、指定自主事業を追加するよう検討してまいります。
またバリアフリー対応については、施設の現状とセルフチェックの結果から、引き続きできる限りの配慮や対応が必要であることは認識しています。
2項目めの観覧料徴収に伴う課題の解決に向けた取り組みについてでありますが、常設展示の空間が通路と物理的に隔てられていないことから、有料化した際には、三階ホール利用者との間で動線が区分できるよう、現場での対応を工夫してまいります。
次に、多数の来場があった場合の対応ですが、特に大津祭の開催期間中は、出入口付近での混雑が懸念されることから、ポケットパークに臨時受け付けを設けて、料金表示と徴収を行うなど、混乱を来さないよう検討してまいります。
〇本社機能の移転促進による地域経済の回復と活力ある地域づくりに向けた取り組みについて
大津市は新年度予算案において、本社機能の移転を行う企業の建物・付属設備等の取得費用や賃貸に係る経費の一部を補助することにより、本市での本社機能施設の立地を促進し、地域経済の発展と更なる成長を図ることを目的として、本社機能移転促進助成金に要する予算を計上されました。長引くコロナ禍の影響もあって、ICTを活用した、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を意味する「スマートワーク」が身近なものとなっており、ここ数年、オフィスに対する考え方は大きく変化を遂げてきました。本社機能の多拠点化や地方都市への移転は設備投資減税や雇用促進税制などからなる、地方拠点強化税制によって税制的にも有利であり、大規模災害の発生に備えた業務継続の観点からも、本社機能の多拠点化や都心から地方都市への移転は増えていくことが予測されます。新たに設けられる本社機能移転促進助成金制度がコロナ禍によって甚大な影響を受けた地域経済の回復と活力ある地域づくりに資する制度となることを期待し、以下、2点、質問を行います。
1点目、補助金交付のあり方について。一言で企業と言っても、その規模や業態は様々です。詳細については今後、要項などで定めれることになると認識していますが、当該補助金は地域経済の発展と更なる成長を図る観点から交付されなければなりません。新年度当初予算において、建設型については五千万円、賃貸型については五百万円を上限額として計上されていますが、大津市は五千五百万円もの多額の補助金が交付されることによって、具体的にどの様な効果や成果が期待できると考えているのか。賃借型については市長、副市長による査定を経て計上されたものと認識していますが、本社機能移転促進助成金制度を創設されるにあたり、執行部内において共有された課題認識とあわせて見解を求めます。
また、地域再生法に基づく地域再生計画として「滋賀県本社機能移転促進プロジェクト」を策定する滋賀県との連携は必要不可欠なものとなります。大津市はどの様な方針のもとで移転促進につながる情報の共有を図っていくつもりなのか。市内外の事業者に対する本市助成金制度の周知方法とあわせて見解を求めます。
2点目、予算額の積算根拠と執行見込みについて。建設型については、設計や建築工事に伴う許認可に要する期間、また、工事期間などを勘案すると、申請から実際の交付決定までに相当な期間を要することになります。建設型の予算額を五千万円、また、賃借型の予算額を五百万円とされた積算根拠ならびに予算執行の見込みについて答弁を求めます。
答弁:産業観光部長
1項目めの補助金交付のあり方についての1点目、どのような効果や成果が期待できるかについてでありますが、本社機能の移転により、施設・設備への投資に加え、新たなビジョン、ビジネスチャンスの創出や転入者の増加、地域雇用が生まれるなど、経済波及効果が期待できるとともに、税収の確保や本市の認知度の向上に繋がると考えております。
また、制度を創設するにあたっての課題認識についてですが、コロナ禍で落ち込む地域経済の回復とさらなる発展のため、市内の事業者に対する支援にとどまらず、市外から新たな事業者を呼び込む視点が必要であると考えております。
2点目の、どのような方針のもとで、滋賀県と情報の共有を図っていくかについてですが、事業者からの移転に関する問い合わせは、まず滋賀県に入ることが多いことから、滋賀県に本補助金を紹介していただくとともに、企業の移転情報についても、滋賀県とこれまで以上に連携を密にし、共有してまいります。また、市の広報媒体だけでなく、企業立地に関する補助金等を案内するウエブサイトや、首都圏や企業立地イベント等での案内に加え、商工団体や金融機関など関係機関と連携し、情報発信してまいります。さらに、新年度作成する予定の事業者向け支援制度を網羅したパンフレット等を活用しながら、直接企業に本市の立地優位性を伝えるなど、積極的にPRを行ってまいります。
2項目めの積算根拠と予算執行の見込みについてですが、積算根拠については、建設型では、県内や他都市の本社機能の移転の補助実績を参考に、また賃借型では、本市駅前の賃貸物件、情報を参考にしています。現時点で具体的な事業者を想定しているものではありませんが、全国的に本社機能の地方都市への移転が増え、近年、滋賀県への企業立地に関する問い合わせも多くなっていることから、これを契機好機ととらえ、事業者にとって、本市に着目するきっかけとなり、本社機能の本市への移転に向けたインセンティブとなるよう、新年度予算に計上したものです。
再質問
2点目についてです。執行見込みについてお伺いをしております。繰り返しになりますが、設計や建築工事に伴う許認可に要する期間、また、工事期間などを勘案すると、申請から交付までに相当な期間を要するこということで問題提起させていただいています。このことを踏まえ、私、危惧いたしますのが、令和5年度に多額の予算を執行いただけるのかと心配をしております。様々なPR、これから取り組んでいただけるとのことですが、もう少しここの点、詳しくお聞かせいただけないでしょうか。
答弁:産業観光部長
この予算の執行見込みについてということでございます。手続き的には、滋賀県の方で本社機能移転のプロジェクトをやっておられます。その中で、滋賀県の方では税の優遇、本市についてはこれ補助金の交付という形になります。大いに同じような企業が対象になることもありますので、滋賀県の手続きを参考にしながら、歩調を合わせるように、交付できたらそれが効果的だと考えております。それでいきますと工事の着工前に、まず事業の対象であるという認定をして、それと、工事が完了してから事業を開始される際に、補助の交付申請で補助金の交付という形になりますので、実際、設計の段階から時間かかりますけれども、補助金交付にあたっては、大分途中の段階から入ってきますので、比較的もしそういう案件があれば、予算の執行の可能性はあるかなというふうに考えておりますのと、本社を移転して、本市に建設されるだけではなくて、例えば、もうすでに建ってるその建物を、中古物件を購入される場合、取得される場合も、もうそれは即対象になりますので、比較的時間は短く、いけるかなと思いますので、そういった意味で、先ほど申し上げましたように、まず最大限PRをしっかりするのと、滋賀県との連携をしっかりしながら、せっかく予算計上しておりますので、無駄にならないように、執行に努めて参りたいと考えております。
〇大津港周辺のにぎわい創出に向けた取り組みについて
国においては昨年末、地域の交流拠点となっている港湾緑地の老朽化、魅力的低下に対応するため、民間活力を最大限活かして緑地の再整備等、魅力向上を推進するための制度として、港湾環境整備計画制度を創設しました。国土交通省が公表している資料によると、港湾管理者、民間事業者、利用者のメリットは以下のとおりとなっています。
(港湾管理者)
・民間資金を活用することで、緑地等の整備、管理にかかる財政負担が軽減される
・民間の創意工夫も取り入れた整備、管理により、緑地等のサービスレベルが向上する
(民間事業者)
・緑地内に飲食店や売店等の収益施設を長期間安定的に設置できる
・港湾空間を活用して自らが設置する収益施設と合った緑地等を一体的に整備することで、収益の向上にもつながる質の高い空間を形成できる
(利用者)
・飲食施設の充実など利用者向けサービスが充実する
- ・老朽化し、質が低下した施設の更新が進み、緑地等の利便性、快適性、安全性が高まる
都市公園法に基づくPark-PFI制度と大きく異なる点は、収益施設の建ぺい率が用途地域の一般的な規制に準じるという点です。ちなみに、Park-PFI制度においては、都市公園における2%の建ぺい率が10%緩和され、上限12%とされています。比較をすると大幅な緩和であり、事業期間においても賃貸借により概ね30年以内とされています。これらのことを踏まえ、以下2点質問を行います。
1点目、港湾環境整備計画制度の活用について。令和5年度新年度予算案には大津港周辺のにぎわい創出に向けた検討業務委託料が措置されています。対象となるエリアは琵琶湖ホテルの琵琶湖側に位置する大津港修景緑地と説明を受けていますが、この度、国によって創設された港湾環境整備計画制度の活用を視野に入れての検討なのでしょうか。港湾法に基づく手続きは港湾管理者が実施することになると理解していますが、これまでの間、滋賀県とはどのような方針のもとで協議を行われてきたのか。当該エリアのにぎわいを創出するにあたり、滋賀県と大津市が担うべき役割の分担とあわせて答弁を求めます。
また、港湾環境整備計画制度の活用を視野に入れておられないのであれば、どの様な前提のもとで当該エリアの活性化を検討していくつもりなのか、答弁を求めます。
2点目、業務委託の目的と検証内容について。大津市はこれまでの議会答弁において、浜大津周辺は魅力的な都市空間を形成し、恒常的なにぎわいを創出する都心エリアであることから、陸上、湖上交通の結節点である立地特性を最大限に生かし、本市の新たなゲートウェイとなるよう取組を進めていく必要があるとの見解を示されてきました。現在、大津港周辺においては、令和9年度の開館に向けて、県立琵琶湖文化館後継施設の整備が進められており、また、次年度には琵琶湖疏水船延伸便実証運行が計画されています。なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのさらなる推進とあいまって、さらなるにぎわいが創出されることに期待をするものです。
琵琶湖を臨む修景緑地エリアを対象として、にぎわいの創出に向けた検討を進めていただくことには賛同するものですが、何を目的として、どの様な検証を実施されようとしているのか。必要となる委託料に港湾管理者である滋賀県の予算が含まれていない理由と措置された予算の根拠とあわせて答弁を求めます。
答弁:都市計画部長
1点目の港湾環境整備計画制度の活用についてでありますが、本市では、大津湖岸なぎさ公園及びその周辺の魅力とにぎわい創出を目的に、令和2年9月から、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトを立ち上げ、大津湖岸なぎさ公園と連続する大津港においても、琵琶湖文化館後継施設の誘致や大津港サイクルステーションの整備、SLOW OTSU(スロウオオツ)における官民連携事業など、様々な取り組みを展開してまいりました。
一方で、大津港公共港湾施設の修景緑地等では、イベントに火気の使用が認められないなどの制約もあり、港湾管理者である滋賀県と、大津港公共港湾施設の規制緩和に係る協議を継続的に進めてきたところ、今般、滋賀県において規制の一部を緩和されるなど、さらなる利活用の推進に向けた環境が整備されたところであります。
これを受けて、本市といたしましては、市民や観光客が気軽に憩うことができ、より恒常的なにぎわいの創出に向け、港湾施設において社会実験を実施し、その結果を滋賀県と共有するとともに、今後さらなる利活用に向けたあり方を一緒に見いだしていきたいと考えております。なお、議員お述べの港湾環境整備計画制度については、今後研究をしてまいります。
次に、2点目の業務委託の目的と検証内容についてでありますが、本業務は大津港公共港湾施設の修景緑地等を中心としたエリアにおいて、今後の継続的な利活用にあたっての課題等の整理を行い、当該エリア周辺に求められる機能等を検討することを目的として、遊ぶ、集うなどのテーマに沿った港湾空間の形成及び利活用に向けた社会実験に係る経費などを計上しております。
なお、事業実施に当たりましては、大津港公共港湾施設の規制の一部が緩和されたことから、まずは、本市において費用負担を行い、社会実験を実施していきたいと考えており、この結果を踏まえ、今後の取り組みにおいて、県が果たす役割についても協議を進めてまいりたいと考えております。
再質問
1点目の、港湾環境整備計画制度の活用についてです。これから、研究されていかれるとのことでした。全く視野に入れられてないんでしょうか。まず、この点確、確認させてください。
2点目、業務委託の目的と検証内容についてです。遊ぶ、集うということをテーマにされ、社会実験を行われるとのことでした。予算の説明資料によりますと、大津港周辺のにぎわい創出に向けた検討業務委託料として、1,800万円計上されています。どういった課題認識を共有され、どういったビジョンを持って、この委託料の執行にあたられていかれるのか。まだ理解がしきれていません。
これまで様々なイベントや事業を官民連携のもとで当該エリア、また、なぎさ公園においては実施をされてきました。成果については、大津市におかれても実感もされておられるでしょうし、一定、課題も認識をされておられることかと。火気の使用が緩和されたとの実情もお話しいただきましたが、1,800万円、どういった効果を期待されて執行されるのか、詳しく答弁いただけないでしょうか。
答弁:都市計画部長
1点目、港湾環境整備事業についてであります。議員お述べの港湾環境整備計画制度、定義は地域のにぎわいの創出を図るため、民間資金を活用してP-PFI同様の枠組みで、良好な港湾空間の形成を図る、いわばPPPとして官民連携を目指すものでございます。一方滋賀県におかれましては、みなとオアシスの登録に向けた取り組みとして、港湾が憩いとにぎわいの場として、多様な利活用ができるよう、官民連携で利活用が促進できるルールづくりやネットワークづくりなどを具体的に考えられているものでありまして、来年度、社会実験をする中で、港湾環境整備計画制度についても、港湾管理者としての滋賀県がこの社会実験の中で検討していくことの可能性も十分あるということで認識はしております。
2点目の1,800万の根拠とビジョンについてでありますが、今回の社会実験につきましては、現在のところ遊ぶ、集う、くつろぐ等のテーマに沿ったイベントの開催や遊具やファーニチャー等の設置のほか、夜間照明やカフェスタンドなど、市民や観光客が気軽に憩えるための継続的な社会実験を実施してまいりたいというふうに考えておりまして、そして、これらの社会実験の成果をもって、今後の修景緑地等の継続的な利活用や求められる機能等について、滋賀県と協議したいというふうな趣旨でございます。なお、委託料1,800万の根拠につきましては、遊ぶ、集う、くつろぐ等をテーマとした社会実験の実施経費として約1,400万。事業効果等の分析や効果検証に要する経費として約400万円を見込んでおりまして、業者見積り等を参考に積算を行ってみたものでございます。
〇将来のまちづくりを担う技術職員の確保に向けた取り組みについて
地方自治体における技術職員の不足は全国的な課題となっており、大津市においても土木職の不足が長年に渡って常態化しています。他の技術系職種についても、業務量に見合った職員数であるとは評価しがたいものの、土木職の不足は危機的な状況にあると考えます。20年先、30年先を見据えて人材の確保、育成に取り組んでいかないと、都市基盤施設の整備や維持管理、法定受託事務として担う許認可業務に計り知れない影響を及ぼすことになると考え、以下、2点、指摘提言を交えて質問を行います。
1点目、技術系職種を対象とした採用試験のあり方について。令和4年度大津市職員採用試験案内によると、令和4年5月31日から6月27日までを受付期間とされ、技術系職種においては第1次試験として、基礎能力検査(SPI)、専門試験、適正検査を7月24日に実施されています。合格された受験生は2次から3次までの口述試験(面接)に臨まれ、最終合格発表者が決定されたのは10月31日のことでした。
ここで、他の自治体における取り組み事例を紹介します。静岡県沼津市においては、技術職員の確保に向けて、採用試験の日程を抜本的に見直されました。同市がホームページで公表されている情報によりますと、技術系職種の受験申し込みは3月上旬頃から開始され、4月中旬には第1次試験の実施。5月上旬頃には最終試験である口述試験を経て、同月中旬頃には最終合格者を決定されています。また、神奈川県横浜市においては、令和5年度から大学卒程度採用試験のうち、技術系職種の教養試験を廃止される方針を示されました。一次試験は専門試験のみであり、同市がホームページで公表されている情報によると、3月1日には受験案内を公表され、6月2日は最終合格者を発表されるとのことでした。
大津市においても技術系職種、その中でも特に土木職の適正な人員数確保が喫緊の課題となっていますが、職員採用に向けたスケジュールや試験内容等について、就職活動に取り組む学生の実状や民間企業の採用スケジュールを踏まえ、若手職員の意見も参考にしながら、あらためて検討されることを提言するものです。技術系職種を対象とした採用試験のあり方を見直すことについて、見解を求めます。
2点目、情報発信のさらなる充実に向けた取り組みについて。より多くの対象者に「大津市役所で働いてみたい」と思っていただくためには、発信する情報内容の充実が必要不可欠となります。先ほど、取り組み事例を紹介させていただいた静岡県沼津市の職員採用サイトには求める人物像やインターンシップ研修生の募集に関する案内が掲載されています。また、神奈川県相模原市のホームページにおいては、最新版の職員採用案内パンフレット、職員採用をテーマとしたYouTube動画、各職種の業務内容が詳細に記された資料が掲載をされており、閲覧者に同市で働くイメージを持っていただきやすいと感じました。
大津市においても職員からのメッセージやパンフレット等が掲載されていますが、さらなる更新や内容の充実に取り組まれるべきと考えます。技術職員の適正な人員確保に向け、今後どの様な方針のもと、情報発信に取り組んでいくつもりなのか、見解を求めます。
答弁:総務部長
1点目の技術系職種を対象とした採用試験のあり方についてでありますが、職員採用に向けたスケジュールや試験内容等については、民間企業や他都市の状況等を参考にしつつ、本市の全般的な採用スケジュールとあわせて、採用試験の前倒しや試験期間の短縮も含む含めて検討してまいります。
次に、2点目の情報発信のさらなる充実に向けた取り組みについてでありますが、昨年度から採用試験ポスターを、JR大津駅等に掲示を行っており、また、今年度からは若手技術職員の意見を取り入れた採用試験ポスターを作成するとともに、技術系職員に特化した採用説明会を開催する際には、若手技術職員が直接、普段の業務内容や経験談等を伝えているところであります。
また今年度、土木職の職員によるインタビュー形式の動画を市のユーチューブチャンネルで配信するとともに、現在作成している事務職の職員向けの職員採用PR動画を、今後、市ホームページへ掲載し、引き続き、わかりやすく、視覚的に伝わる情報発信に努めてまいります。
〇大津市庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる今後の取り組みについて
令和5年2月17日、公共施設対策特別委員会において、庁舎整備基本計画の策定に向けた今後の取り組みについて、総務部管財課より報告を受けました。令和5年度には市民ワークショップの開催が予定されており、原則として、候補地を決定してから開催すると説明を受けましたが、不確定要素があまりにも多く、どの様な方針のもと、何を優先して候補地の決定が行われるのか、理解しきれませんでした。
大地震発生時に災害対応拠点となる庁舎の耐震性を確保することは、本市にとって喫緊の課題であることから、スケジュール案で示されている令和6年度中の基本計画策定の実現性を高めるべく、以下、3点質問を行います。
1点目、庁舎整備推進本部とワーキングチームの効果的な連携のあり方について。現在、庁内組織である大津市庁舎整備推進本部のもと、庁舎と公園の一体整備、新館の活用検討、明日都浜大津の活用を検討する3つのワーキングチームが設置され、11月以降、それぞれ2度の会議が開催されました。新年度予算において、庁舎整備検討における詳細調査支援業務委託に要する経費が計上されているものの、検討にあたっての前提、すなわち、議論の進捗にあわせて与条件の設定が行われていかないと効果的に機能しないと考えます。特に庁舎と公園の一体整備については、関係法令上、原則、できないと定められています。代替地の確保をはじめ、都市公園としての機能を維持、担保するための方策について議論し、市民理解が得られるのか、都市計画の観点から問題ないのかなど、特例的な対応の是非や妥当性について、同時並行的に議論を深めていただく必要があります。
ちなみに、私はこれまでの間、大津市が優先して検討する候補地と位置付けられている皇子山総合運動公園の変更に係る都市計画決定権者については滋賀県であると都市計画部より説明を受けてきました。しかしながら、本年1月、滋賀県に対してあらためて照会されたところ、当該公園の直近の決定時点である、昭和47年においては滋賀県が都市計画を定めているものの、この間、都市計画法施行令が改正されたことを受け、現時点では大津市がその変更を行うと説明を受けました。ワーキングチームが設置をされ、庁内検討が進んだ成果ともいえますが、庁舎整備基本構想が策定されてから後に明らかになったことを重く受け止めています。
これは、私の実感ですが、庁舎整備基本構想において、優先して検討を行う候補地として皇子山総合運動公園(敷地の一部)、新しい視点で検討を行う候補地として、大津駅・県庁周辺が位置付けられましたが、そもそも、当該候補地に庁舎を整備できるか、できないのか、今もって確たる見込みを大津市は持てていないと評価するものです。庁舎整備基本構想の実現性を高めるためには、まずもって、庁舎整備推進本部とワーキングチームとの連携を効果的に図る必要がありますが、大津市は今後、どの様な方針のもとで同チームを機能させていくつもりなのか。また、議論の前提となる与条件の設定などはどの様な意思決定のもとで行われることになるのでしょうか。あわせて見解を求めます。
2点目、市民ワークショップの実施を見据えた候補地の最終選定について。新しい視点で検討を行う候補地とされた、大津駅・県庁周辺での庁舎整備については、現時点において、ワーキングチームにおける検討の対象に含まれていません。先の公共施設対策特別委員会において、大津市は令和5年度上半期中にそれぞれの候補地における可能性をまとめるとするスケジュールを示されましたが、文字通り、優先して検討を行う候補地である皇子山総合運動公園を対象とした詳細な調査を先行して実施するつもりなのでしょうか。であるとするならば、新しい視点で検討を行う候補地とされた、大津駅・県庁周辺を対象とした詳細な調査はどの時点から開始されることになるのでしょうか。今後、検討の段階に応じてワーキングチームの拡充を行うことが公共施設対策特別委員会において示されていますが、両候補地を同時並行で検討するのであれば、市民ワークショップの実施を見据え、どの様な方針のもと、候補地を最終選定されるつもりなのか。
3点目、庁内組織体制の強化に向けた取り組みについて。現在、総務部管財課が中心となって庁舎整備に向けた検討が行われていますが、建築職をはじめ、技術職員は配置されておらず、多岐に渡る他の事務も所管されていることから、組織体制の強化は喫緊の課題と考えます。そもそも、ワーキングチームのメンバーには辞令が交付されているものの、本来業務があるなかでの検討には様々な制約があると認識しています。これまでから指摘提言を重ねてきましたが、庁舎整備に特化した組織を立ち上げ、庁内機構に位置付けることについて、あらためて大津市に見解を求めます。
答弁:総務部長
1項目めの庁舎整備推進本部とワーキングチームの効果的な連携のあり方についてでありますが、庁舎整備推進本部に検討する項目や検討の段階に応じて、ワーキングチームを設置することで連携を図っているところです。
また、ワーキングチームにおける議論の前提となる条件の設定等については、推進本部で検討し、意思決定を行うものと考えております。
次に2項目めの市民ワークショップの実施を見据えた候補地の最終選定についてのうち、1点目の大津駅・県庁周辺を対象とした詳細な調査の開始時点についてでありますが、基本構想策定以降、皇子山総合運動公園と並行して、まずは周辺状況の確認や、課題の整理などを行っているところです。
2点目の市民ワークショップの実施を見据え、どのような方針のもと、候補地を最終選定するのかについてでありますが、優先して検討を行う、皇子山総合運動公園、新しい視点で検討を行う大津駅・県庁周辺、それぞれの候補地について整備手法等の調査を行っているところであり、その状況を踏まえつつ、慎重に候補地を決定していきたいと考えております。
次に、3項目目の庁内組織体制の強化に向けた取り組みについてでありますが、現時点で令和6年度に予定している基本計画策定作業の段階からは、調査整備の担当部署を設置する必要があると考えております。
再質問
3点目、庁内組織体制の強化に向けた取り組みについてです。基本計画を策定される時期からといったような趣旨で答弁をいただきました。なぜ、そう考えておられるんでしょうか。他都市の事例なりを参考にされ、内部で認識を共有されているものと推察するものですが、初問で申し上げてますが、大津市は庁舎整備基本構想の実現性を高めるため、令和5年度、取り組んでいただくことになるわけですよね。非常に多岐にわたる検討を、不確定要素が多い中で、検討いただいて、ようやくそれで基本計画を策定をできるか、できないかという局面を迎えられると私は認識をしています。その上でなぜ、基本計画を策定をされる時期からなのかというのが私の疑問でございます。この点を踏まえて改めて答弁を求めます。
答弁:総務部長
組織体制についての再度のご質問でありました。昨年度、今年度と管財課が中心となって事業を進めてまいりました。そうした中で、昨年度、庁舎整備推進本部を立ち上げ、また、庁舎整備基本構想策定懇話会を設置して取り組みを進めてきたところでございます。そして、今年度7月に市民アンケートを実施し、10月にはワーキングチームを立ち上げ、そして12月に庁舎整備基本構想を策定したところでございます。このことは、これまでの間、管財課が中心となりつつも、庁内組織であります推進本部は機能していたからこそ、現在に至っているというふうに考えております。
谷議員からは、先ほどの質問で、技術職員についてのご質問をいただいたところでございます。庁舎整備と同時にですね、人事をつかさどる総務部といたしましても、まずは、市全体の技術職員の配置というものも考えていく必要があるというふうに考えております。庁舎整備とワーキングチームが連携を図りながら、今後も検討進めてまいりたいというふうに考えております。