決算関連議案の採決
10月13日、8月通常会議に提出されていた令和3年度決算関連議案ならびに追加提出された補正予算の採決が行われました。認定にあたっての討論において、下記の事項を申し述べました。
令和3年度 大津市一般会計の決算の認定について(討論内容要約)
○事務事業評価のあり方について
昨年度、予算決算常任委員会全体会において、コロナ禍における事務事業評価のあり方について見解を求めました。業務の改善が期待できてこその事務事業評価であり、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)からなる、PDCAサイクルをまわすこと自体が目的ではありません。対象事業の見直しを行われたことを評価するものです。
より効率的・効果的な行政運営の実現が図られるよう、事務事業評価のあり方については、今後も見直しを継続いただきたいと考えます。
○小額随意契約のあり方について
随意契約にあったては、地方自治法施行令の規定はもとより、大津市においては入札契約マニュアルとあわせて、小額工事(委託)の随意契約ガイドラインの遵守が求められます。
昨年度の予算執行において、当該ガイドラインに定められた上限金額を意識されたと推察される見積書が事業者から提出され、契約に至った委託業務が確認されました。
定められた金額を超えていなければよいということでなく、公平公正な市政運営が損なわれないよう、あらためて留意されることを求めます。
○工事内容の変更について
令和3年度も多くの建設事業に取り組まれました。地盤や土質の状況などによって、設計図書通りの施工が困難になることがあることを承知していますが、地盤改良など追加の工事が必要となった場合においては、候補となる工法を比較し、優位性を判断できる資料を作成されたうえで工事に着手されるべきと考えます。
令和3年度 大津市財産区特別会計の決算の認定について(討論内容要約)
大津市が策定する「財産区補助金交付の手引」には、「令和3年度から、本市技術職員による建設事業に係る施工検査を実施します。該当事業につきましては交付決定時にあわせて通知を予定しています。」と記述されています。しかしながら、令和3年度、当該施工検査が実施された実績はなく、そもそも、どの様な検査をどの時期に実施するのか、決算審査を通じて、事前の検討が不十分であるとの評価に至りました。
建物などの建築工事においては、現場代理人等が行う施工管理とは異なる業務として、設計図書どおりに工事が実施されているかを確認する建築士を選任することが法令で定められています。ちなみに、当該業務を行う者を工事監理者といいます。同手引きにおいては、「建設事業」と記されているものの、水路の改修や舗装工事などの土木工事と建築工事とでは必要とされる監理体制が異なることを踏まえ、本市技術職員による施行検査のあり方について、再検討されるべきと考えます。大津市が発注する工事においても、契約金額によって検査体制が異なることは承知をしていますが、何をも目的として定められた方針なのか、今年度以降における予算執行にあたって、執行部内において認識を共有されるべきと指摘するものです。
また、大津市は同手引きにおいて、代表者以外の会員の中から監督者を選任することを定めています。建設事業の規模や工種によっては、監督するにあたって専門性が必要となりますが、そもそも、どの様な役割を担っていただくことを監督者に求めておられるのか。このことについてもあらためて確認されたうえ、先に申し上げた「本市技術職員による建設事業に係る施工検査」のあり方について再検討いただきたいと申し添えます。